- 日本企業
- テンダ
テンダJP:4198
事業内容
テンダは「人と社会を豊かにする」を掲げ、WebシステムやWebサイト、スマートフォンアプリの開発・保守・運用、業務向けプロダクトやゲームコンテンツの企画・開発・運用を主力に事業を展開しています。同社は開発から運用まで一貫して支援し、企業の業務改善や顧客接点の強化に貢献しています。
同社の主要顧客は流通・製造・サービス業などの法人で、ECサイトや会員サイト、業務システムの導入・改善を求める企業が中心です。収益は受託開発のプロジェクト収入に加え、保守・運用契約による安定的なストック収入、ソフトウェア製品の販売やクラウド利用料、さらに自社ゲームの課金収入などで構成されています。
事業はDXソリューション事業、Techwiseコンサルティング事業(ビジネスプロダクトを含む)、ゲームコンテンツ事業の三本柱に分かれています。DX事業ではプロジェクト単位の開発やラボ型支援で技術者を提供し、製品事業ではマニュアル自動作成ツール「Dojo」や操作ナビなどのクラウド製品を展開、ゲーム事業では自社タイトルの運営と受託開発の双方で収益化を図っています。
経営方針
同社は事業規模の拡大と収益性の向上を最重要課題と位置づけ、短中期の数値目標を明確に掲げています。具体的には、2026年5月期の売上高を60億円、親会社株主に帰属する当期純利益を2.66億円とする目標を示しており、中長期では2028年度末までにSaaS(サブスク型クラウド製品)売上比率を50%以上に引き上げ、自己資本効率(ROE)を20%以上に改善することを目指しています。株主還元は利益成長に応じた累進配当を基本とし、M&A後の統合作業(PMI)を100日で標準化するなど、成長とガバナンスの両面で安定した経営基盤を作る方針です。
同社は投資の重点をDXソリューション、Techwiseコンサルティング、自社プロダクトの強化に置いています。DXではオープンソースのECプラットフォーム(EC-CUBE)とノーコード型のデータ基盤(JUST.DB)の連携を軸に、業界別テンプレートやCI/CD(継続的な開発・配布の仕組み)環境の整備、APIの標準化やセキュリティ強化を進め、導入後の利活用を支えるカスタマーサクセス体制を強化します。研究開発は内製と外部連携を組み合わせたハイブリッド投資で進め、生成型AIに関しては専門チーム20名程度の編成を目標に、業務固有の文脈を理解するプロンプト設計を差別化要素として確立しようとしています。
同社は新市場開拓と事業拡大を組織面でも実行しています。2024年6月の組織再編でTechwiseコンサルティング事業を新設し、従来のNotes移行中心の受託からMicrosoft系サービスやAI・BIを活用した高付加価値案件へのシフトを加速します。自社製品では「Dojoシリーズ」のOneDojo構想に基づき、多様な情報からマニュアルを自動生成する「マニュアル・インテグレーション」を推進して自治体向けやB2B2XモデルでSaaS化を図ります。ゲーム事業では受託のフルフィルメント体制とIP(版権)を活かしたライセンス管理を両輪で強化し、既に配信を開始したタイトルを起点に収益基盤の安定化を目指しています。
同社は技術革新を成長の源泉と位置づけ、生成AIやクラウドネイティブ技術の実装に積極投資しています。AIによるUI自動生成やフォーム自動作成、FAQ自動応答といった実用的な機能で導入企業の業務効率化と顧客体験向上を同時に狙い、社内ではデータガバナンスやセキュリティ基準の整備(ISMSや個人情報保護の体制強化、クラウドセキュリティ認証の検討)を進めます。PoC(概念実証)を短期で積み上げることでR&Dの成果を早期に事業化し、顧客への提案力と競争優位性の確立を図ることを同社は目指しています。