伊勢化学工業JP:4107

時価総額
¥946.9億
PER
25.8倍
ヨウ素及び天然ガス事業では、ブローイングアウト法で生産したヨウ素と、地下かん水から採取した天然ガスを販売。また、ヨウ素化合物の製造販売、塩化ニッケル等の金属化合物の製造販売も手掛ける。

沿革

1927年3月

三重県伊勢市に伊勢沃度工場として創業

海藻ヨウ素、塩化カリウム等の製造販売を開始

1948年3月

法人組織とし、伊勢化学工業株式会社を設立

1949年8月

本店を東京都中央区に移転

1950年6月

千葉県に八積工場の建設を完了し、天然ガスかん水からのヨウ素生産(活性炭法)を開始

1955年9月

千葉県において、天然ガス、ヨウ素を生産する大洋化学工業株式会社を買収し、系列会社とする

1955年12月

千葉県に太東工場の建設を完了し、天然ガス、ヨウ素の生産(活性炭法)を開始

1959年11月

千葉県に白里工場の建設を完了し、天然ガス、ヨウ素の生産(活性炭法)を開始

1960年1月

旭硝子株式会社(現 AGC株式会社)の資本参加を受け系列会社となる

1961年10月

大洋化学工業株式会社を吸収合併し、一宮工場とする

1961年10月

新ヨウ素製造技術(ブローイングアウト法)を確立、千葉県に白子工場の建設を完了し、天然ガス、ブローイングアウト法によるヨウ素の生産開始、以後各工場逐次同製造法に転換

1969年8月

千葉県に光工場の建設を完了し、ヨウ素の生産を開始

1969年10月

千葉県に千葉工場(千葉市六方町)の建設を完了し、ヨウ素の生産を開始

1970年5月

全工場ブローイングアウト法に転換完了し、ヨウ素生産量世界第1位となる

1971年7月

新潟県に黒埼工場の建設を完了し、ヨウ素の生産を開始(1989年3月新潟工場と改称)

1972年2月

八積工場生産中止

1975年4月

一宮工場にてニッケル、コバルト化合物の生産を開始

1975年7月

宮崎県に宮崎工場の建設を完了し、天然ガス、ヨウ素の生産を開始

1978年2月

千葉工場(千葉市六方町)閉鎖

1984年7月

米国(オクラホマ州)に子会社ウッドワード・アイオダイン・コーポレーションを設立し、ヨウ素生産販売会社を買収

1989年3月

新潟県松浜にヨウ素製造プラントの建設を完了し、ヨウ素の生産を開始(新潟工場所属)

1990年10月

東京証券取引所市場第二部に上場

1991年12月

米国(オクラホマ州)に子会社イセ・アメリカ・コーポレーションを設立し、営業を開始

1994年4月

新潟工場閉鎖

1995年11月

米国(オクラホマ州)の子会社ウッドワード・アイオダイン・コーポレーションは、イセ・アメリカ・コーポレーションを吸収合併

1996年4月

ISO9002 認証取得

1997年6月

大阪営業所開設

2000年10月

大阪営業所閉鎖

2003年4月

ISO9001 2000認証取得

2008年7月

千葉県に千葉工場(市原市五井海岸)完成

2009年4月

ISO9001 2008認証取得

2017年4月

ISO9001 2015認証取得

2022年4月

東京証券取引所の市場区分見直しにより、東京証券取引所市場第二部からスタンダード市場に移行

事業内容

伊勢化学工業は、AGC株式会社を親会社とし、ウッドワード・アイオダイン・コーポレーションを含むグループ企業で構成されています。同社は、ヨウ素及び天然ガス事業と金属化合物事業の二つの主要な事業セグメントを持っています。

ヨウ素及び天然ガス事業では、ヨウ素が主力製品であり、地下かん水を主原料としてブローイングアウト法で生産しています。伊勢化学工業は、ヨウ素を日本国内だけでなく、北米、欧州、アジアに販売しており、ヨウ素化合物の製造販売も行っています。また、天然ガスはヨウ素の主原料である地下かん水から採取し、主に千葉県外房地区、宮崎県佐土原地区、及び米国内のガス販売会社へ販売しています。

金属化合物事業では、伊勢化学工業は塩化ニッケル等の金属化合物を製造販売しています。この事業の技術的特徴は、抽出剤を使用して不純物を取り除き、高品位の金属化合物を生産することにあります。

これらの事業を通じて、伊勢化学工業は地下資源の有効活用と先進的な化学製品の提供に努めています。同社の製品は、地域性が強いものの、世界的なエネルギー価格の影響を受けることもあり、その動向に注目が集まっています。

経営方針

伊勢化学工業は、技術革新と創意・工夫に努め、科学・経済の発展に貢献することを経営理念としています。同社は、スペシャリティ化学の素材・加工分野において、顧客のニーズを優先し、顧客満足を得られる製品とサービスを提供することで市場に信頼される企業を目指しています。また、「企業の根幹は人なり」という考え方に基づき、社員一人一人の人間性・個性を尊重し、能力の伸長に努めること、そして良き企業市民として、全ての法律を遵守し、社会規範に基づいて公正・誠実な企業活動を推進することを経営基本指針としています。

事業環境として、ヨウ素事業は中長期的に世界の中間層人口の増加や発展途上国の経済成長により、医療用途を中心に安定的な成長が見込まれています。天然ガス事業では、化石燃料の中で比較的温室効果ガスの排出が少ないことから、国内の地産地消のエネルギー資源として重要な役割を果たすとされています。金属化合物事業では、電子回路の高集積化や5G技術の発展により、大きな成長が期待されています。

伊勢化学工業は、これらの事業環境を踏まえ、ヨウ素及び天然ガス事業では安全安定操業を最優先とし、新規坑井の開発や既存設備の維持・更新を積極的に実施しています。また、金属化合物事業では、MLCC向けの需要拡大に対応するため、生産体制を強化し、コストダウンを図っています。さらに、新商品開発及び新規事業の創出にも力を入れ、外部研究機関との提携を積極的に進めています。

経営目標としては、中期計画においてEBITDA額40億円超、ROE(自己資本利益率)6%超を設定しており、これらの目標を達成するために、積極的な投資と効率的なサステナビリティ経営を推進しています。