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東邦アセチレンJP:4093
事業内容
東邦アセチレンは、主に高圧ガスの製造・販売を行う企業であり、いくつかの事業セグメントを持っています。以下にその事業内容を紹介します。
1. **ガス関連事業**
東邦アセチレンは、溶解アセチレン、酸素、窒素、アルゴン、水素、液化石油ガスなどのガスを製造・販売しています。これらのガスは、溶接や切断、鉄鋼業、医療、半導体製造など多岐にわたる用途で使用されます。
2. **エスプーマ関連事業**
食品添加物用亜酸化窒素を用いたエスプーマ技術を提供しています。これは、液状の食材を泡状に加工する料理法で、飲食店向けに販売されています。また、食品関連器材も取り扱っています。
3. **器具器材関連事業**
溶接材料や溶接切断器具、生活関連器具を取り扱っています。これらは、建築鉄骨や造船、液化石油ガスの供給機器など、さまざまな分野で使用されます。
4. **自動車機器関連事業**
自動車部品メーカー向けの生産ライン機器を取り扱っています。これにより、自動車産業の生産効率を支援しています。
5. **製氷機関連事業**
漁協や食品メーカー向けに製氷・冷凍機械の設計・施工を行っています。これにより、食品の保存や流通をサポートしています。
6. **その他の事業**
建設工事の設計・施工も手がけています。これには、建物の建設工事が含まれ、幅広い分野でのサービス提供を行っています。
これらの事業を通じて、東邦アセチレンは多様な産業分野に貢献しています。
経営方針
東邦アセチレンは、産業ガスや関連技術を通じて事業基盤の強化と収益力の向上を目指しています。同社は、工場の安全運営や健全な財務体質の維持を重視し、ダイバーシティ経営やSDGsへの貢献を推進しています。これにより、経済的価値を創造し、社会に貢献することを基本方針としています。
同社は、2022年度を初年度とする中期経営計画を策定し、連結売上高400億円、経常利益25億円、純利益16億円を目標としています。資本コストを考慮した経営管理を行い、ROE8%以上を目指し、自己資本比率の向上や累進配当施策を実施しています。これにより、株主還元を強化し、企業価値の向上を図っています。
産業ガス分野では、セパレートガスの用途開発や安定供給体制の確立を目指しています。エネルギー分野では、液化石油ガスや省エネルギー機器の販路拡大を図り、民生用小売需要の拡大を目指しています。メディカル分野では、医療用ガスの販路拡大や在宅医療ビジネスへの参入を進めています。
エスプーマ関連事業では、新型ホイップ製造機の市場投入や新規顧客の獲得を目指しています。器具器材関連事業では、ガス関連事業と一体化した営業活動を強化し、競争力のある商品提供を推進しています。自動車機器関連事業では、業界動向を注視し、製氷機関連事業では新規顧客の獲得と環境配慮型製品の開発を進めています。
同社は、水素事業と食品添加用ガスの生産能力増強を目的とした投資を決定していますが、価格設定と需要開拓が課題です。M&Aを成長戦略として活用し、企業価値向上に資する案件を見極めています。また、広報・IR活動の充実を図り、経営陣による対話を推進しています。
原材料価格の高止まりや物流費上昇などの不確実性が続く中、東邦アセチレンは既存事業の競争力強化と成長分野への投資を進めています。人的資本経営を推進し、事業ポートフォリオの変革を続けながら、社会から必要とされる企業を目指しています。