日本酸素ホールディングスJP:4091

時価総額
¥2.16兆
PER
18.6倍
酸素、窒素、アルゴンなどの工業ガスや医療用ガス、特殊ガスの製造・販売、溶断機器や溶接材料、空気分離装置の製造・販売、ステンレス製魔法瓶の製造・販売。

事業内容

日本酸素ホールディングスは、主に工業ガス、医療用ガス、特殊ガスの製造・販売を行っています。具体的には、酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素などのガスを取り扱い、関連機器や溶断機器の製造・販売も手がけています。また、医療機器の販売やレンタルも行っています。

同社の主要な事業セグメントには、日本、米国、欧州、アジア・オセアニア、サーモスがあります。日本では、大陽日酸株式会社が酸素や窒素などのガスを製造・販売し、日酸TANAKA株式会社がガス溶断機器やレーザー加工機を提供しています。

米国では、Matheson Tri-Gas, Inc.が酸素や特殊ガスの製造・販売を行っています。欧州では、Nippon Gases Euro-Holding S.L.U.が関係会社の株式を保有し、Nippon Gases Belgium NVが酸素や窒素の製造・販売を担当しています。

アジア・オセアニア地域では、Nippon Sanso Holdings Singapore Pte. Ltd.がシンガポールでの事業を統括し、Leeden National Oxygen Ltd.が溶接関連器具や高圧ガスを提供しています。サーモスセグメントでは、サーモス株式会社が家庭用品の製造・販売を行っています。

経営方針

日本酸素ホールディングスは、企業理念として「進取と共創。ガスで未来を拓く。The Gas Professionals」を掲げています。この理念のもと、革新的なガスソリューションを通じて社会に新たな価値を提供し、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。

同社は中期経営計画「NS Vision 2026 - Enabling the Future」を策定し、2023年から2026年までの4年間を対象に事業運営を行っています。この計画では、サステナビリティ経営の推進やカーボンニュートラル社会に向けた新事業の探求など、5つの重点戦略を掲げています。

サステナビリティ経営の推進では、温室効果ガス削減や環境貢献製品の拡充に注力しています。また、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、CO2分離回収技術の開発や関連設備の構築を進めています。これにより、顧客の温室効果ガス排出削減に貢献しています。

エレクトロニクス事業の拡大も重要な戦略の一つです。半導体材料ガスの生産能力を拡充し、日本での最先端半導体製造の量産化を支援しています。これにより、エレクトロニクス市場での競争力を強化しています。

オペレーショナル・エクセレンスの追求では、生産性向上活動を推進し、利益の最大化を図っています。グローバル化を進める中で、各事業会社のベストプラクティスを共有し、グループ全体での生産性向上を目指しています。

デジタルトランスフォーメーション(DX)戦略では、デジタルデータを活用した事業モデルの高度化を進めています。これにより、製品価格マネジメントや生産性向上活動を支援し、新しい価値創出を目指しています。

地域ごとの戦略も明確です。日本では、収益性向上を目指し、事業ポートフォリオの見直しを進めています。米国では、新規オンサイト事業の探索やプライシング活動を継続し、事業密度の向上を図っています。

欧州では、食品・飲料、医療、環境関連市場に注力し、エンジニアリング能力の強化を図っています。アジア・オセアニアでは、産業ガスやエレクトロニクス市場の拡大に向けた取り組みを進めています。

サーモス事業では、新商品の投入や広告宣伝を通じて需要拡大を図り、販売チャネルの多角化を進めています。これにより、顧客満足度と従業員満足度の向上を目指しています。