日産化学JP:4021

時価総額
¥7655.4億
PER
21倍
基礎化学品(メラミン、硫酸など)、ファインケミカル(封止材用特殊エポキシ、難燃剤)、ディスプレイ材料(液晶表示用ポリイミド)、半導体材料(反射防止コーティング材)、無機コロイド(電子材料用研磨剤)、農薬(除草剤、殺虫剤)、動物用医薬品原薬、ヘルスケア(高コレステロール血症治療薬原薬)、化学品卸売、肥料、造園緑化、運送、プラントエンジニアリング事業を展開。

沿革

年月

事業の変遷

1887年2月

東京人造肥料会社(のちの東京人造肥料株式会社)設立

1889年7月

日本舎密製造会社(のちの日本化学肥料株式会社)設立

1891年3月

日本舎密製造会社小野田工場(現在の小野田工場)完成

1895年12月

合資会社王子製造所(のちの関東酸曹株式会社)設立

1897年11月

関東酸曹株式会社王子工場(のちの王子工場)完成

1907年12月

東京人造肥料株式会社小松川工場(のちの東京日産化学株式会社)完成

1910年7月

東京人造肥料株式会社が大日本人造肥料株式会社と改称

1919年2月

株式会社日本人造肥料会社(のちに日本化学肥料株式会社に合併)
名古屋工場(現在の名古屋工場)完成

1922年6月

大正運送株式会社(現在の日産物流株式会社)設立

1923年5月

大日本人造肥料株式会社が関東酸曹株式会社と日本化学肥料株式会社を合併
研究開発部門として、本社に工務部研究課、王子工場に研究係を設置

1928年4月

大日本人造肥料株式会社富山工場(現在の富山工場)完成

1931年2月

大日本人造肥料株式会社肥料試験場(横浜市)を白岡に移転(現在の生物科学研究所)

1932年10月

株式会社文化農報社(現在の日星産業株式会社)設立

1937年12月

大日本人造肥料株式会社が日本化学工業株式会社に資産等を譲渡したのちに、
日本化学工業株式会社は、日産化学工業株式会社と改称

1943年4月

日本鉱業株式会社と合併、同社の化学部門となる

1945年4月

日本油脂株式会社が日本鉱業株式会社から化学部門の営業譲渡を受け、
社名を日産化学工業株式会社と改称

1949年5月

証券取引所の再開に伴い、当社株式上場

1949年7月

企業再建整備法により、油脂部門(現在の日油株式会社)を分離

1965年1月

日産石油化学株式会社を設立、石油化学事業へ進出

1968年11月

東京日産化学株式会社が埼玉県上里村に工場移設(現在の埼玉工場)

1969年8月

王子工場の閉鎖・移転計画に伴い千葉県に現在の袖ケ浦工場を建設

1969年12月

王子工場の生産を停止、閉鎖

1988年6月

協和醗酵工業株式会社(現在のKHネオケム株式会社)他へ石油化学部門を営業譲渡し同事業から撤退

1989年10月

Nissan Chemical America Corporation(NCA)をアメリカに設立

1996年7月

Nissan Chemical Houston Corporation (NCH)(のちにNCAに合併)をアメリカに設立

1998年4月

東京日産化学株式会社を吸収合併し、埼玉工場とする

2001年4月

韓国日産化学株式会社(現在のNCK Co., Ltd.)を韓国に設立

2001年6月

研究開発組織を再編し、物質科学研究所、電子材料研究所、機能材料研究所(のちの無機材料研究所)を設置

2001年10月

日産アグリ株式会社(現在のサンアグロ株式会社)を設立、肥料事業を分社化するとともに同事業に関連するグループ会社を統合

2002年7月

日本モンサント株式会社より国内農薬除草剤事業を買収

2002年12月

Nissan Chemical Europe S.A.S.をフランスに設立

2005年2月

Nissan Chemical Agro Korea Ltd.を韓国に設立

2010年1月

アメリカDow AgroSciences社より農薬殺菌剤を買収

2010年10月

台湾日産化学股份有限公司を台湾に設立

2013年6月

Thin Materials GmbH(ドイツ)を買収

2014年1月

日産化学制品(上海)有限公司を中国に設立

2014年10月

電子材料研究所と無機材料研究所を再編し、材料科学研究所を設置

2016年6月

Nissan Chemical Do Brasilをブラジルに設立

2017年7月

Nissan Agro Tech India Private Limitedをインドに設立

2017年7月

日産化学材料科技(蘇州)有限公司を中国に設立

2018年7月

日産化学株式会社に商号変更

年月

事業の変遷

2019年11月

アメリカCorteva Agriscience社より農薬殺菌剤を買収

2019年12月

Nissan Bharat Rasayan Private Limited をインドに設立

2020年12月

アメリカCorteva Agriscience社より農薬殺菌剤を買収

事業内容

日産化学は、多岐にわたる事業セグメントを持つ化学企業であり、基礎化学品から高機能材料、農薬、ヘルスケア製品まで幅広い製品を提供しています。同社は、基礎化学品セグメントではメラミン、硫酸、硝酸、アンモニアなどを手がけ、これらは日産化学自身および他の2社で製造されています。化学品事業では、ファインケミカル製品として封止材用の特殊エポキシや難燃剤、殺菌消毒剤などを提供しており、これらは3社で構成されています。

ディスプレイ材料セグメントでは、液晶表示用の材料ポリイミドなどを製造し、NCK Co., Ltd.を含む関連会社と共に事業を展開しています。機能性材料セグメントでは、半導体材料や半導体用反射防止コーティング材などを手がけ、Nissan Chemical America Corporationを含む複数の会社が関与しています。

農薬セグメントでは、除草剤や殺虫剤、殺菌剤などの農業化学品を提供し、Nissan Chemical Europe S.A.S.やNissan Bharat Rasayan Pvt., Ltd.などがこのセグメントに属しています。ヘルスケア事業では、高コレステロール血症治療薬原薬の製造を行っており、日産化学自身がこの事業を担っています。

卸売事業セグメントでは、化学品の卸売などを行い、日星産業㈱を含む11社がこのセグメントに関与しています。その他の事業としては、肥料や造園緑化、運送、プラントエンジニアリングなどがあり、日産エンジニアリング㈱を含む14社がこれらの事業を展開しています。これらの事業を通じて、日産化学は多様な産業分野に貢献しています。

経営方針

日産化学は、長期的な視点を持った成長戦略「Atelier2050」と中期経営計画「Vista2027」を推進しています。これらの計画では、社会が直面する課題の解決と持続可能な発展を目指し、環境との調和を図りながら人々の豊かな暮らしと幸せの実現を追求しています。中期経営計画「Vista2027」のStage Iでは、2024年度の売上高2,550億円、営業利益585億円を目標に掲げ、事業領域の深掘り、サステナブル経営の推進、価値創造・共創プロセスの強化、現有事業のシェア・利益の拡大という4つの基本戦略を定めています。

具体的な取り組みとして、生物科学研究所にバイオロジカルグループを立ち上げ、微生物を利用した農業資材の創出や、マテリアルズインフォマティクス(MI)を活用した製品開発の迅速化に取り組んでいます。また、サステナブル経営の推進の一環として、「日産化学サステナブルアジェンダ」を策定し、気候変動対策委員会を設置しています。これにより、気候変動問題への対策として、カーボンニュートラル達成に向けた活動を強化しています。

人的資本の最大化にも注力し、人事制度の刷新やダイバーシティの推進、デジタル技術の活用を進めています。さらに、殺虫剤「グレーシア」のグローバル展開や、半導体材料の研究開発強化など、現有事業のシェア拡大と利益増大に向けた施策を展開しています。

日産化学は、これらの戦略を通じて、自己資本当期純利益率(ROE)18%以上、売上高営業利益率20%以上を目指し、配当性向55%維持などの財務指標の達成を目標に掲げています。非財務指標としては、サステナブルアジェンダの達成やGHG排出量削減、人材育成に関する質問への肯定回答率65%以上など、社会的責任と企業価値の向上を目指しています。これらの取り組みを通じて、日産化学は持続可能な成長を目指しています。