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SYSホールディングスJP:3988
事業内容
SYSホールディングスは、純粋持株会社として国内外の連結子会社と協働し、総合情報サービス事業を展開しています。同社はソフトウェア開発から情報インフラの構築、保守・運用、クラウドやデータ解析、AR/VRなどを組み合わせたソリューション・サービスを一貫して提供しています。
主要顧客は自動車や重工業などの製造業に加え、電力や金融、鉄道、不動産、官公庁・自治体といった社会インフラ関連企業が中心です。同社は請負による開発や常駐の人材派遣、運用・保守の継続契約、さらに子会社を通じたモバイル系サービス販売を組み合わせることで安定した収益基盤を築いています。
事業は「グローバル製造業ソリューション」「社会情報インフラ・ソリューション」「モバイル・ソリューション」の三領域に分かれており、製造業向けの組み込み開発や海外での検証、エネルギー・金融向けの基幹システム構築やビッグデータ解析、法人向けモバイル製品(FieldPlus、iContact+ Office、マップP+、Quick Safetyなど)を主力としています。同社は未経験者・女性・海外人材の育成を重視し、チームサポートや工程ごとの請負、定量発注といった提供モデルで顧客の運用負担軽減とコスト削減を図っています。
経営方針
同社は中期経営計画「SYS Target 2028」(2026年7月期〜2028年7月期)を掲げ、連結売上高2,200億円(22,000百万円)、営業利益15億円(1,500百万円)、経常利益14.8億円(1,480百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益9.2億円(920百万円)、ROE17.3%といった計数目標の達成を目指しています。純粋持株会社として国内外の子会社と連携し、事業の拡大と収益性向上により企業価値を継続的に高めることを狙いとしています。
重点投資分野としては、大企業の基幹システムに対する「総合サポート」を最優先にしています。同社は米系大手が手掛けない煩雑な領域まで請け負い、一次請けとして高付加価値を提供することで差別化を図っています。また、人材面では未経験者や外国人、シニア層の採用を拡大し、独自の教育プログラムでPMやPLを育成する施策、待遇改善や女性管理職の積極登用により供給不足の解消と定着率向上を図っています。
新市場開拓と事業拡大については、「グローバル製造業ソリューション」「社会情報インフラ・ソリューション」「モバイル・ソリューション」の三領域を軸に展開しており、海外での検証や多言語・多通貨対応の大規模案件への対応を進めています。成長基盤の確保のため、ビジネスパートナー制度や交流会で連携を強化するとともに、付加価値のあるM&Aを積極的に行い、小規模子会社の営業力・プロジェクト管理の標準化を進める計画です。これらの取り組みで、電力・金融・鉄道・自治体など社会インフラ分野への浸透を狙っています。
技術革新では生成型AIやデータ解析を業務と製品に取り込み、これまで予算の制約で困難だったプロジェクトの実現や短納期化を目指しています。具体的にはAIを用いた業績分析で早期課題発見を行い、クラウドやデータ解析、AR/VRといった技術を組み合わせたソリューション開発を推進しています。同社はこうした技術投資と子会社の技術融合により、FieldPlusやiContact+ Officeなどのモバイル製品を含む一貫したサービス提供で差別化を図っていきます。