岡山製紙JP:3892

時価総額
¥99億
PER
11.9倍
中芯原紙・紙管原紙と美粧段ボールの製造販売の有力企業。中芯原紙や青果・食品・家電向けの美粧段ボールを展開。王子ホールディングスの100%子会社と販売取引。岡山ガスと産業用ガスの購入取引。国内中心に展開。

事業内容

岡山製紙は中芯原紙や紙管原紙を主力とする板紙の製造と、外観にこだわった美粧段ボールの製造・販売を主業務としています。中芯原紙は段ボールの原料、紙管原紙はテープや糸などを巻く芯材に使い、さまざまな包装用途に供給しています。

同社の主要顧客は段ボールメーカーや包装資材を使う青果・食品・家電などのメーカーで、美粧段ボールは贈答箱や食品箱などに使われることが多いです。販売チャネルには王子グループの関連会社を通した取引が重要な位置を占め、原紙の出荷と加工品の販売が収益の柱になっています。

同社の事業は大きく板紙事業と美粧段ボール事業に分かれており、板紙事業では段ボール用原紙と紙管用原紙の製造・供給、段ボール事業では包装箱の設計・製造・販売を行っています。関連会社との販売連携や、製造に必要な資材や産業用ガスの調達取引が事業運営の一部を構成しています。

経営方針

同社は持続的な成長を目指して、営業利益5億円を中期目標に掲げ、ROEは同社が想定する株主資本コスト(6〜9%)を上回る水準を目標としています。直近の事業年度では営業利益が10億円、ROEが6.3%となっており、目標ラインの達成と更なる安定化を狙っています。地域に根ざした岡山本社の生産拠点を基盤としつつ、需要変動に対応した生産体制の構築と適正価格の維持を通じて収益の安定化を図る方針です。

同社は重点投資分野として人材育成と設備投資を挙げており、従業員への継続的な投資で競争力を高めることを目指しています。製造面では各工程に自動制御装置を導入して24時間体制の安定生産を実現し、加工と製紙を一貫させた工場配置で品質・納期管理とトータルコストの優位性を確保しています。営業面ではデジタル印刷を中心とした提案力強化に投資し、価格競争だけでない非価格の差別化を図ります。

同社は新市場の開拓や事業拡大を、既存の得意先(段ボールメーカーや青果・食品・家電など)に加え、多品種小ロットや付加価値の高いパッケージ需要に的を絞って進めています。日本初導入の6色インクジェットプリンターを活用した個別対応印刷やバリアブル印刷により、贈答箱や食品箱などの高付加価値分野で新規顧客を獲得するとともに、王子グループ系の販売チャネルや地域密着の強みを生かして販売網を拡大していきます。

同社は技術革新として省エネ・生産効率向上と製品開発力の強化に注力しています。具体的には自動制御による品質安定化、エネルギー消費を抑える設備投資、省力化や生産効率向上に資する設備更新を進めるほか、原材料の計画的な安定調達で資材コスト低減に取り組んでいます。環境負荷低減やガバナンスを重視する取り組みと合わせ、技術と人材を軸に企業価値の向上を図る方針です。