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大和コンピューターJP:3816
事業内容
大和コンピューターは、情報システムの設計・開発から導入、運用までを一貫して手がける会社です。同社は受託ソフトウェア開発を中核に、クラウド型のソフトウェアサービス(SaaS)などを含むサービスインテグレーションを主力事業とし、連結子会社3社とともに事業を展開しています。
主要な顧客は企業の情報システム部門や業務部門で、業種は幅広く分布しています。収益は一括の受託開発による売上に加え、SaaSの利用料や保守・運用サービス、ハードウェア販売といった継続的な収入で構成されています。
同社は報告セグメントとして「ソフトウェア開発関連事業」と「サービスインテグレーション事業」を運営しており、受託開発では設計・開発・導入・保守や開発プロセス改善のコンサルティングを行っています。サービスインテグレーションではクラウドサービスの提供に加え、導入支援や保守、機器販売やサプライ供給までトータルに支援し、子会社のフィット・コムは主にサービスインテグレーションを担当しています。さらに、システム販売のほか、子会社の㈱ルーツや浅小井農園㈱が農作物の生産・加工・販売といった農業活動も展開しています。
経営方針
大和コンピューターは、中期経営計画「DCX 2030」を掲げ、2030年7月期を計画の最終年度、2027年の創業50周年を節目にした「第二創業期」の実現を目指しています。成長指標としては売上総利益および営業利益の確保・継続的拡大を明確な経営目標にしており、受託ソフトウェア開発を中核に、SaaS型クラウドサービスや保守・運用を含む継続収入の拡大で収益構造の強化を図る方針です。同社はこうした収益基盤の多様化を通じて中長期的な業績改善を目指しています。
重点投資分野はソフトウェア開発の生産性向上、クラウドサービス、自社が進めるスマート農業(i-農業)の三本柱です。具体的には生成AIを活用して開発効率を高める取り組みや、プロジェクトマネージャーの増員など人員体制の強化、クラウドや農業関連への資本投下を進めています。差別化戦略としては「品質・安全・信頼」を前面に、高付加価値のソリューション提案をパートナーと連携して拡充し、NFCやRFIDを活用したマーケティングツールで新規顧客基盤を広げることを狙っています。
新市場開拓と事業拡大については、SaaSの利用継続率向上と認知度拡大を狙った営業施策の再構築、スマート農業分野での戦略的設備投資により、ソフトウェア開発以外の収益柱を育てる計画です。連結子会社を含むグループ体制を生かし、サービスインテグレーションからハード販売、農作物の生産・加工・販売までを横断的に展開することで顧客接点を増やし、継続的な売上基盤の拡大を目指しています。同社は即戦力となる中途採用の強化や営業再編で市場対応力を高めています。
技術革新への取り組みでは、生成AI(文章やコードの自動生成などを行う技術)を社内教育や開発現場で広く活用し、生産性向上とサービス魅力の向上を図っています。エンジニア育成のための教育制度整備やスキルの可視化、必要スキルへの戦略的投資、人事制度の改善や働きやすいオフィス整備などを通じて人的資本を強化する方針です。安心・安全なサービス基盤の強化も併せて進め、技術面と人材面の両輪で事業競争力を高めることを同社は目指しています。