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ヒットJP:378A
事業内容
ヒットは屋外広告の企画・開発と広告掲出を主力に事業を行っています。同社は屋上や壁面にデジタルサイネージや看板を設置して、繁華街やロードサイドで広告枠を販売するビジネスを展開しています。大型媒体や同一エリアでの多面セット商品の開発により、高い収益性を維持しつつ事業を拡大しています。
主要な顧客はメーカーやサービス事業者などの広告主で、広告代理店経由に加え創業以来、広告主への直接営業を重視しています。同社の収益構造は、デジタル媒体が広告掲載料中心、アナログ媒体は広告掲載料に加え施工費・撤去費などの施工関連収入を含む形です。自社媒体を多く保有することで顧客ニーズを直接把握し、新しいサービス開発につなげています。
事業は単一の「広告事業」として、デジタルサイネージと看板を繁華街媒体とロードサイド媒体に分類して運営しています。同社は基本的に自社単独で媒体を確保しつつ、共同所有や借り上げ、他社媒体の運用受託も行い、合計で63媒体141面(2025年6月末)を保有しています。さらに広告映像の企画制作(肉眼3D広告など)や、スマホ位置情報を用いた「HIT-movi」などのクロスメディアサービスを提供し、屋外広告と連動した複合的な広告体験を提供しています。
経営方針
同社は堅調に回復する国内外の屋外広告需要を取り込み、選好立地の大型媒体開発を柱に売上と利益の拡大を図っています。市場環境としては日本の屋外広告市場が2024年に2,889億円と拡大しており、同社は自社デジタル媒体数・デジタル媒体満稿額・媒体稼働率を主要なKPIに据えています。具体的には、年間で繁華街の大型デジタル媒体を年間3〜5媒体の開発を目標とし、直近では合計63媒体141面(2025年6月末)を保有、自社デジタル媒体数は直近で10媒体、デジタル媒体満稿額は7,840,000千円(約78.4億円)、媒体稼働率は約42.7%となっています。同社はこれらの指標を高めることで投下資本の回収を早め、収益基盤を拡大することを目指しています。
重点投資分野は「大型・好立地の媒体開発」と「周辺サービスの強化」です。新設媒体は概ね80〜100㎡以上の大型面をターゲットに短期間での投資回収を志向し、同一エリアで複数面を同時展開するセット商品の開発で差別化を図っています。加えて広告映像の制作力強化(肉眼で立体に見える「肉眼3D」など)や、屋外広告と連動するスマホ位置情報配信サービス「HIT-movi」、交通広告の取り扱い拡大などで広告主に対する訴求を高めています。営業面では人員増強やロードサイド媒体の専門担当育成、展示会やウェビナー、メール配信等のマーケティング施策でプレミアムプランの提案を強化し、媒体の稼働率向上を図っています。
海外展開ではASEAN市場を中心に現地媒体の発掘と展開を進める計画です。過去の試みを踏まえ、同社はシンガポール拠点(HIT SINGAPORE)を広告市場調査とパートナー開拓の拠点に転換しており、代表取締役会長が現地滞在を続けるとともにシニアマネージャーを同社の取締役に選任して体制を強化しています。さらに、ASEANでのデジタル媒体保有・新設に向けて2028年6月期までにHIT SINGAPOREへ300百万円(300百万円=3億円ではなく、金融表記上は300百万円=3億円に相当する場合があるため注記を確認してください)の投融資を行う予定であり、現地での媒体取得や代理店ネットワーク構築を通じて成長の裾野を拡げることを目指しています。併せて業務提携やM&Aも検討し、サステナビリティを考慮した新規ビジネスの開発にも取り組みます。
技術革新では業務のデジタル化(DX)を通じた生産性向上を重視しています。現状はメールでの受注や複数システムへの重複入力、放映管理でのオペレーター依存が残っており、同社はこれらを自動化・標準化することで非生産的作業を削減し、営業や企画に充てる時間を増やすことを目指しています。また、放映管理の属人化排除やデータに基づく広告効果の提示により媒体価値を向上させ、デジタル媒体の増加に伴う運用負荷を低減することが同社の中長期的な技術戦略の中核です。