リップスJP:373A

時価総額
PER
メンズコスメ企画・販売とヘアサロンフランチャイズの有力企業。LIPPSブランドのヘアワックスや男性向けスキンケア『LIPPS BOY』を展開。2023年グッドデザイン賞受賞。関東中心に28店舗・スタイリスト161名(2025年4月30日現在)、年間約40万回の施術を基に商品開発。

事業内容

リップスはメンズコスメの企画・販売とヘアサロンのフランチャイズ運営を主軸に事業を展開しています。同社の主力は細部にこだわったヘアワックスを中心としたスタイリング剤やシャンプー等のヘアケア商品で、2019年に投入した男性向けスキンケア・メイクブランド「LIPPS BOY」も代表的なシリーズです。主力ヘアワックスは2021年にリニューアルし、2023年にグッドデザイン賞を受賞しています。

同社の売上構成は商品事業が約88%、サロンフランチャイズ事業が約12%を占めています。商品はドラッグストアなどの小売店への卸売、フランチャイズ店やEC(Amazon、楽天等)を通じた消費者販売で収益を上げ、フランチャイズ事業は経営指導や技術指導に対するロイヤリティ等で収益を得ています。ドラッグストアでの配荷は計画を上回って進み、ECでの販売額も拡大傾向です。

事業は商品事業とサロンフランチャイズ事業の二本柱で構成されています。商品事業は自社で製造せず企画・開発を行うファブレス型で、年間約40万回のサロン施術から得る現場の声を商品開発に反映して外部の製造委託先と共同で商品化しています。サロンフランチャイズ事業は直営店を持たずフランチャイザーとして関東を中心に28店舗・スタイリスト161名(2025年4月30日現在)を支援し、のれん分けや独立支援を通じた契約サービスも提供しています。

経営方針

同社はメンズビューティーのスタンダードブランド「LIPPS」としての地位確立を成長戦略の中心に据えています。2024年の国内男性用化粧品市場は約1,636億円、全化粧品市場は約3.2兆円と見込まれるなかで、同社は商品事業の売上拡大を主要な経営指標とし、ブランド力向上による市場シェア拡大を目指しています。現状は商品事業が売上の約88%、サロンフランチャイズ事業が約12%を占めており、上場による認知向上や優秀な人材確保で販路拡大と企画力強化を図る方針です。

重点投資分野は商品開発、人材、販路拡大の三点です。同社は年間約40万回のサロン施術で得た顧客ニーズを商品開発に反映する仕組みを持ち、スタイリング剤やシャンプーを中心にドラッグストア、小売店、EC(Amazon、楽天等)へ配荷を拡大しています。差別化戦略としては、フランチャイズ店や多数のスタイリスト(直近で28店舗、スタイリスト161名)からのフィードバックを速やかに製品化に結びつける点や、デザイン面での受賞実績(主力ワックスは2021年リニューアル後、2023年にグッドデザイン賞受賞)を強みにしています。

新市場開拓と事業拡大では、ヘアケア中心の既存ラインからスキンケア・メイクアップ等へ商品群を広げる計画を明確にしています。LIPPS BOYのような男性向けスキンケアブランド投入の経験を活かし、ユニセックス商品や新規事業の検討も進め、既存の販路を活用してドラッグストアでの配荷率向上やECでの販売額拡大を実行することで、商品事業の成長に依存する構造を改善していきます。サロンフランチャイズ事業は安定基盤として維持しながら、のれん分けや独立支援といった支援サービスでネットワークを活用します。

技術革新への取り組みとしては、現場データを中心とした商品設計と外部製造委託(ファブレス型)の連携強化を進めています。具体的にはサロン現場の声を短期間で反映する開発プロセスの整備、品質評価を早めるモニタリング体制の構築、物流費や販管費のコントロールによる営業利益率の改善に注力します。また上場企業として段階的に環境・社会課題への対応も進める方針で、持続可能な材料やパッケージの検討など、製品面と組織面の両方で技術的・運用的な改善を図っていきます。