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クロス・マーケティンググループJP:3675
事業内容
クロス・マーケティンググループは、消費者データを軸にしたマーケティング支援を中核とし、デジタル領域のプロモーションやITソリューション、マーケティングリサーチ、データ分析などを手掛けています。同社は自社運営のプロモーションメディアや大規模なアンケートモニター基盤を活用して、企業の販促や意思決定を後押ししています。
同社の顧客は一般事業会社や広告代理店、コンサルティング会社と幅広く、受注は調査委託やプロモーション実行、システム開発・保守などのプロジェクト型と、サイト運用や分析などの継続的な業務契約に分かれます。収益はリサーチ料やメディア掲載料、開発・運用報酬、人材提供の手数料など複数の柱で成り立っています。
事業は大きくデジタルマーケティング、データマーケティング、インサイト(分析・コンサル)に区分されます。具体的には「モラタメ.net」などの販促メディア運営、広告運用と顧客獲得支援、Web・アプリの開発・インフラ構築、そしてネットリサーチや会場調査、定性調査、ホームユーステスト、ID‑POSや海外調査といった調査手法に基づく分析レポートを提供し、約1,410万人規模のモニターや特別パネルを使ったターゲティングで迅速に調査を実行しています。
経営方針
同社は中期経営方針「Unite&Generate」のもと、グループシナジーを強化して「ジェネレイト・カンパニー」を目指しています。具体的には、2030年6月期までに連結売上高500億円、営業利益50億円という数値目標を掲げ、自己資本当期純利益率(ROE)を最重要指標としつつ、売上高成長率や営業利益率にも注力する経営を進めています。人材採用の強化や評価・報酬制度の見直しを通じて、成長に必要な経営人材と即戦力を確保することも明確な目標です。
重点投資分野は、人工知能(AI)を中核としたITシステムやインフラへの投資、人材育成と開発力の強化です。同社は自社運営のプロモーションメディアや約1,410万人のアンケートモニター基盤など、独自の消費者データと運用ノウハウを持っており、これを武器に調査・分析だけでなくコンサルティングやプロモーション実行まで一気通貫で提供する点を差別化要因としています。データの速やかな活用と顧客課題に応じた付加価値提供により、単なる調査会社とは異なる競争優位を築いています。
新市場開拓や事業拡大では、事業セグメントを従来の三区分から二区分へ集約し、インサイト系を「リサーチ・インサイト事業」としてデジタルマーケティング事業と並列に再編する方針を打ち出しています。これによりコンサルティング領域の深化とデジタル事業との連携を加速させ、IPを活用したコンテンツやインフルエンサー施策、電子商取引(EC)領域を中心に外部成長手段として積極的な買収(M&A)を推進します。海外展開に伴う現地での事業開発・管理体制の整備や、2026年6月期第1四半期からの新セグメント開示といったロードマップも公表しています。
技術革新への取り組みとして、同社はAI投資とIT基盤の整備を生産性向上の中核に据えています。具体的には、データ解析プラットフォームの高度化や調査実行スピードの向上、広告運用の自動化といった技術導入を進めるとともに、社内研修でマーケティングや統計知識の底上げを図る施策を継続実施しています。また、グループ全体のガバナンス強化や内部管理体制の充実を図ることで、新しい技術や事業展開を安全かつ迅速に実行できる組織作りにも注力しています。