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ウェルネス・コミュニケーションズJP:366A
事業内容
ウェルネス・コミュニケーションズは、企業や健康保険組合向けに健康診断を起点としたウェルネスサービスを提供する会社で、主力はネットワーク健康診断の健診ソリューション(i-Wellness)とSaaS型健康管理クラウド(Growbase)です。両サービスを通じて、予約・精算・診断結果のデータ化・一元管理を行い、企業の健康管理業務を効率化しています。
同社の主要顧客は従業員規模の大きい企業群や健康保険組合で、取引先は多数に上ります。収益は受診者数や登録IDに応じたストック型課金が中心で契約継続率が非常に高く、例えばi-Wellnessの年額利用料は約4,300円/ID、Growbaseは月額約60円/IDといった課金モデルを基本に安定収益を確保しています。
事業は大きく健診ソリューション、健康管理クラウド、医療機関等支援の三本柱に分かれます。健診ソリューションでは全国の医療機関とのネットワークを通じて予約・精算代行や診断結果の標準化・データ化を行い、クラウドは診断結果やストレスチェック、産業医面談の記録を一元管理して報告書作成やスケジュール管理、従業員向けマイページなどの機能を提供しています。
経営方針
同社は「ウェルネス・データで、未来をつくる。」を掲げ、企業と健康保険組合を顧客に健康診断を起点とした一括サポートを展開しています。成長戦略の要点は大企業(Enterprise・Large)市場の深耕で、既に2025年3月末時点で3,540社と取引があり、健康診断結果の出荷件数(=実際に受診した人数)は2021年の24.7万件から2025年には38.8万件へと着実に伸長しています。さらに、健康管理クラウド「Growbase」のID数も2007年の約5.4万IDから2025年には約174.4万IDへ拡大しており、同社はこのストック型収益基盤をさらに高め、1顧客あたりの年間契約額(ACV)や1ユーザー当たりの平均収益(ARPU)を向上させることで収益力を強化することを目指しています。
同社は技術とサービスの両面に重点投資しています。具体的にはGrowbaseにメンタルヘルス、eラーニング、組織分析、ラインマネジメント支援といった機能を追加し、産業医・保健師の紹介やカウンセリングを組み合わせるBPaaS(業務委託型クラウド)を強化します。差別化要因としては、長年の健診専業で培った医療機関ネットワークと、受診予約から診断データの高速納品・厳格な品質管理までを一貫して提供できる点、自社でのクラウド保有による他システムとの連携力、そしてISMS取得による個人情報管理の強化が挙げられます。過去6期間で1,526件の機能拡充を行うなど、顧客ニーズに即した機能追加を継続しており、これが継続利用率の高さや新規導入の獲得につながっています。
同社は新市場開拓と事業拡大を段階的に進めています。まずは大企業向けのサービスをさらに深耕しつつ、機能の拡充やBPO・人材サービスの創出でARPUを高める方針です。同時に中小企業へのデジタルシフト対応や、PHR(個人の健康記録)を起点とした個別最適化サービスへの布石を打ち、健康管理プラットフォーム化を図ります。医療機関支援では地域核病院向けのPET事業の契約満了リスク(2026年)を踏まえ、新たな検査施設やデジタル化を求める医療機関向けソリューションの開発・営業を進める計画です。また、健診メニューの標準化・価格体系の見直しや健診前後のアップセル拡充を通じて、ネットワーク健診事業の高付加価値化に取り組みます。
同社は技術革新を収益化の中核と位置付け、組織横断のCoE(Center of Excellence)を2025年から設置してオペレーションのデジタル化・ペーパーレス化、システム基盤強化、データ利活用に注力しています。具体的な取り組みとしては、オンライン会議ツールや人事システムとの連携強化、基幹システムとi‑Wellnessのサブシステム化によるインフラ補強、データの一元管理と解析による組織分析機能の高度化があります。これらにより、個人別の健康介入やPHRを活用したパーソナライズされた健康増進サービスの提供につなげ、持続的なプラットフォーム成長を目指しています。