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アクサスホールディングスJP:3536
事業内容
アクサスホールディングスは総合ライフスタイルカンパニーで、化粧品や生活雑貨、スポーツ・アウトドア用品、酒類などを扱う実店舗の小売と、国内外の化粧品や香水、酒類、生活雑貨を中心としたネット販売(EC)を展開しています。同社はさらに輸入卸売やオリジナルの酒類製造、OEMによる化粧品・サプリの企画・生産、不動産賃貸などを組み合わせて事業を拡大しています。
主要な顧客は日用品や美容関連を求める個人消費者で、実店舗とECの両面でリーチを確保しています。一方で輸入卸売や木材関連では小売店や工務店、ホームセンターなどの法人顧客も重要であり、不動産賃貸による安定的な賃料収入が収益の安定化に寄与しています。
事業は小売、EC、輸入卸売・蒸溜所、OEM製造、不動産、保険代理といった複数のセグメントで構成されています。小売は美容・生活・スポーツ・文具・酒類の各分野に分かれた店舗ブランドで商品構成を最適化し、輸入卸売は世界からの選定商品や自社ブランド酒類を供給、蒸溜所では製造・熟成・販売・見学を通じてブランド発信を行っています。
経営方針
アクサスホールディングスは総合ライフスタイルカンパニーとして、売上高や営業利益の拡大と併せて自己資本利益率や自己資本比率の改善を経営目標に掲げ、安定的な企業価値向上を目指しています。同社は新規出店や既存店のリニューアル、不動産資産の利活用、積極的な買収(M&A)を通じて収益基盤を強化するとともに、運転資金枠やシンジケートローンの活用、在庫削減やコスト低減などで財務体質の改善を図ることで、成長投資と財務健全性の両立を志向しています。
重点投資分野としては小売事業、卸売・輸入事業、蒸溜所事業、不動産事業を挙げており、それぞれで差別化を図っています。同社は店舗や商品・サービスで「提案力・迅速性・専門性・独自性」を強化することで競合との差をつけ、複数ブランドを地域ニーズに応じてマルチ展開する戦略を取っています。具体的には「化粧品×雑貨×食品酒類」といったハイブリッド売場の拡大や、貿易部門と連携した川上から川下までの垂直連携により、六甲山蒸溜所の「六甲山ピュアモルト」をはじめとするオリジナル商品の共同開発・独占販売で付加価値を高めています。
海外市場と不動産を軸とした事業拡大も明確です。長引く円安への対応としてアセアン諸国を中心に海外販路の開拓を一層強め、蒸溜所製品の輸出拡大で為替変動に左右されない収益を確保することを目指しています。小売の出店地域は京阪神を中心に北海道・首都圏・中部・近畿・九州へ拡大する計画で、飽和地域に対しては保有資産を不動産事業へ転換して賃料収入の安定化を図る一方、キャピタルゲインが期待できる物件は販売用不動産として仕入れ価値向上の上で売却する方針です。加えて成長の加速策としてM&A案件の積極検討も継続しています。
技術面ではECサイトの充実と顧客データの活用を重要施策と位置づけています。同社は「アクサスオンラインコレクション」「チャーリーオンラインショップ」の強化やスタンプカードアプリ、POSデータなどを用い、連結子会社からの消費動向データも取り込みながら出店戦略・商品戦略・販売戦略の高度化を図っています。こうしたデータ活用により在庫最適化や顧客の嗜好に即した品揃えを実現し、店舗とECを連携させた販売チャネルの効率化と顧客満足度向上を目指しています。