バルニバービJP:3418

時価総額
¥116.2億
PER
25.8倍
レストラン事業とエステートビルドアップ事業の有力企業。企画開発・デザインしたレストラン、地域連携型ホテル、ライセンス店舗を展開。ナポリ老舗ピッツェリアとのライセンス契約や行政連携プロジェクトへの参画がある。2025年7月31日現在、連結子会社13社・非連結子会社2社で全国展開。

事業内容

バルニバービは、企画・デザインした飲食店や宿泊施設を自ら展開し、食を起点に地域のにぎわいづくりを行う企業です。同社はレストランやカフェ、ベーカリー、バー、宿泊施設などの業態を一店舗ずつ丁寧に設計・運営し、「美味しいものを、より楽しく、より健康に、より安く」を掲げたサービスを提供しています。

主要な顧客は不動産デベロッパー、商業施設、自治体、大学などで、それらと連携して好条件での出店やエリア再生プロジェクトを受託しています。同社の収益は直営・委託店舗の営業収入に加え、エリア開発による不動産価値の向上から得られる売却・賃貸収入や、企画・コンサルティングの受託料など複数の柱で構成されています。

事業は大きくレストラン事業とエステートビルドアップ事業に分かれ、レストラン事業ではメニュー設計や空間デザイン、地域に合わせたきめ細かい運営を行っています。エステートビルドアップ事業では、潜在力のある地域を買い取り、旗艦店や宿泊施設を核に飲食・物販・レジャーを一体的に整備して不動産価値を高める取り組みを進め、地方創生を目指す事業者との協業も行っています。

経営方針

バルニバービは中期経営計画を「イノベーティブシナジー 2030」としてローリングし、選択と集中による安定成長を図っています。同社はレストラン事業で年間6〜8店舗以上の出店を中長期目標に据え、売上高成長率や営業利益率の改善を重視しています。直近では既存店売上が計画を上回る一方で、2025年7月期の新規出店は当初計画の6店に対し4店にとどまり、光熱費や手数料の増加で諸経費がかさんだため、今後は出店の質を高めて高収益化を進める方針です。同社は収益の安定化と企業価値の向上を目指しています。

重点投資分野はレストラン運営とエステートビルドアップ事業(食を起点とした不動産開発)で、差別化は企画・デザイン力と地域に合わせた運営にあります。居抜き物件を活用した中規模店への転換や、地域の特色を生かした旗艦店・宿泊施設を核とする複合開発で不動産価値を引き上げ、運営収入に加え売却・賃貸収入やコンサル受託料を収益源としています。具体例として淡路島南での約2,000㎡の敷地におけるレストラン(2024年7月開業)やコテージ(2025年4月開業)、2026年秋開業予定のホテル開発などが挙げられ、2025年にはNECキャピタルソリューションとの協業で特別目的会社を買収し、エリア利益が大幅に増加する見込みとなっています。

新市場開拓では淡路島北西や出雲に加え、EB事業で新たに3か所の開業を計画しており、出雲では第2次開発としてホテル開業や駐車場整備、海岸整備、将来的な住宅事業の検討まで視野に入れています。愛媛県伊予市への進出も決定しており、2028年秋の開業を目標に地域と調和した滞在型観光拠点を創出する計画です。人材面では2024年8月に人事機能を強化し、2025年8月にエリア開発やプロモーションを担う子会社BRCを設立するなど、コンテンツ開発と運営体制の強化を通じて、新エリアでの集客と不動産の流動化による投資回収を目指しています。同社は着実な地域開発と収益化を目指しています。

技術革新については、業務効率化と高付加価値業務への転換を明確に打ち出しています。2025年7月期にIT・AI活用の専門部署を設置し、本部スタッフの研修や外部専門家の助言を受けながら人事・経理にとどまらず営業・企画領域へ展開中で、プロモーション分野ではIT・AIを活用したパートナー連携も開始しています。併せて2023年8月の運営子会社吸収合併や2024年10月の監査等委員会設置会社への移行などでガバナンスと内部統制を強化し、リスク管理と意思決定の迅速化を図ることで、技術投資の効果を最大化していく方針です。