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クラレJP:3405
沿革
1926年6月 |
化学繊維レーヨンの企業化を目的に、「倉敷絹織株式会社」を設立(社長 大原孫三郎) |
1928年5月 |
倉敷工場操業開始(レーヨン) |
1933年11月 |
東京及び大阪株式取引所に上場 |
1936年7月 |
西条工場操業開始(レーヨン) |
1936年8月 |
岡山工場操業開始(レーヨン) |
1940年12月 |
中国産業株式会社(1973年4月クラレケミカル株式会社に社名変更)設立 |
1943年2月 |
角一ゴム株式会社(1965年12月クラレプラスチックス株式会社に社名変更)へ出資 |
1949年4月 |
「倉敷レイヨン株式会社」に社名変更 |
1949年5月 |
証券取引所再開により上場再開 |
1950年11月 |
岡山工場でビニロンの生産開始 |
1956年11月 |
玉島工場操業開始(レーヨン) |
1960年11月 |
協和ガス化学工業株式会社へ出資 |
1961年10月 |
大阪合成品株式会社(1983年10月クラレトレーディング株式会社に社名変更)設立 |
1962年5月 |
中条工場(現新潟事業所)操業開始(ポバール) |
〃 |
西条工場でポバールフィルムの生産開始 |
1964年3月 |
日本ベルクロ株式会社へ出資 |
1964年4月 |
玉島工場でポリエステルステープル「クラレエステル」の生産開始 |
1964年11月 |
倉敷工場で人工皮革<クラリーノ>(商標)の生産開始 |
1966年11月 |
岡山工場で人工皮革<クラリーノ>の生産開始 |
1968年6月 |
倉敷市に中央研究所(現くらしき研究センター)設立 |
1969年11月 |
西条工場でポリエステルフィラメント<クラベラ>(商標)の生産開始 |
1970年6月 |
株式会社クラレに社名変更 |
1971年11月 |
クラレチコピー株式会社(1982年10月クラフレックス株式会社に社名変更)設立 |
1972年5月 |
岡山工場でエチレン・ビニルアルコール共重合体<エバール>(商標)の生産開始 |
1972年10月 |
米国にKuraray International Corp.設立 |
1972年12月 |
鹿島工場操業開始(ポリイソプレンゴム<クラプレン>(商標)) |
1976年9月 |
中条工場でイソプレン誘導品の生産開始 |
1977年1月 |
クラレエンジニアリング株式会社設立 |
1983年10月 |
米国にKuraray America, Inc.(1996年3月 Eval Company of Americaに社名変更)、及びEval Company of America設立 |
1984年12月 |
日本ベルクロ株式会社を吸収合併 |
1986年10月 |
鹿島工場で光ディスク(再生専用レーザーディスク)の生産開始 |
1986年12月 |
米国Eval Company of America<エバール>樹脂の生産開始 |
1987年10月 |
クラフレックス株式会社を吸収合併 |
1988年6月 |
中条工場でRPTV(リア・プロジェクション・TV)用光学スクリーン(オプトスクリーン)の生産開始 |
1988年12月 |
マジックテープ株式会社を設立、<マジックテープ>(商標)の生産を移管 |
1989年10月 |
協和ガス化学工業株式会社を吸収合併 |
1991年4月 |
ドイツにKuraray Europe GmbH設立 |
1991年12月 |
米国Kuraray America, Inc.(1996年3月 Eval Company of Americaに社名変更)がEval |
1994年4月 |
つくば市に筑波研究所(現つくば研究センター)設立 |
1995年12月 |
ドイツにKuraray Eval Europe GmbHを設立 |
〃 |
1973年9月設立のPan Oriental Industry Co., Ltd.を可楽麗香港有限公司に社名変更し増資 |
1996年4月 |
米国に持株会社Kuraray America, Inc.(2000年5月 Kuraray Holdings U.S.A., Inc.に社名変更)を設立 |
1996年9月 |
シンガポールにKuraray Singapore Pte., Ltd.設立 |
1996年10月 |
シンガポールに日本合成化学工業株式会社との間でポバールの製造を目的とする合弁会社POVAL ASIA PTE LTD設立 |
1997年10月 |
ベルギーにEVAL Europe N.V.設立 |
1997年11月 |
シンガポールにポバールの販売を目的とするKuraray Specialities Asia Pte., Ltd.設立 |
1998年4月 |
新合成繊維<クラロンK-Ⅱ>(商標)商業化 |
1999年4月 |
POVAL ASIA PTE LTDポバール樹脂の生産開始 |
1999年5月 |
西条工場で耐熱性ポリアミド樹脂<ジェネスタ>(商標)の生産開始 |
1999年9月 |
EVAL Europe N.V.<エバール>樹脂の生産開始 |
2000年1月 |
クラフレックス株式会社を設立、<クラフレックス>(商標)の生産を移管 |
2000年5月 |
Kuraray America, Inc.をKuraray Holdings U.S.A., Inc.に社名変更 |
2000年6月 |
米国にKuraray Holdings U.S.A., Inc.の100%子会社として新会社Kuraray America, Inc.を設立し、製品の輸入販売等の事業を移管 |
2000年10月 |
米国にSEPTON Company of America設立 |
2001年2月 |
レーヨン生産を停止 |
2001年4月 |
各「工場」を各「事業所」と改称し、また、「倉敷工場」と「玉島工場」を統合して「倉敷事業所」とした |
2001年6月 |
クラレメディカル株式会社設立 |
2001年7月 |
ドイツにKuraray Specialities Europe GmbH 設立 |
2001年10月 |
メディカル事業を会社分割し、クラレメディカル株式会社に承継 |
2001年12月 |
スイスClariant AGからポバール及びPVB事業を買収し、Kuraray Specialities Europe |
2002年4月 |
衣料及びインテリア用テキスタイル関連事業を会社分割し、クラレトレーディング株式会社に承継 |
2002年9月 |
米国SEPTON Company of America<セプトン>(商標)の生産開始 |
2003年6月 |
経営諮問会議を新設、執行役員制度を導入 |
2004年3月 |
中国に可楽麗国際貿易(上海)有限公司を設立 |
〃 |
ファスニング事業をマジックテープ株式会社に移管 |
2004年10月 |
マジックテープ株式会社がクラレファスニング株式会社に社名変更 |
2004年12月 |
ドイツHT Troplast AGからPVBフィルム事業を買収し、Kuraray Specialities Europe GmbHが当該事業の運営を開始 |
2005年4月 |
不織布事業をクラフレックス株式会社に移管し、クラレクラフレックス株式会社に社名変更 |
〃 |
米国Celanese Advanced Materials Inc.のポリアリレート繊維<ベクトラン>(商標)事業を買収し、Kuraray America,Inc.が当該事業の運営を開始 |
2006年9月 |
Kuraray Europe GmbHが、Kuraray Specialities Europe GmbHを吸収合併 |
2006年12月 |
RPTV(リア・プロジェクション・TV)用光学スクリーン(オプトスクリーン)の生産停止 |
2008年1月 |
Kuraray America, Inc.が、Eval Company of America及びSEPTON Company of Americaを吸収合併 |
〃 |
POVAL ASIA PTE LTDの全株式を取得し、子会社化 |
2008年7月 |
Kuraray Specialities Asia Pte., Ltd.の販売機能をPOVAL ASIA PTE LTDに移管した上で、同社の社名をKuraray Asia Pacific Pte. Ltd.に変更 |
2008年9月 |
インドにKuraray India Private Limitedを設立 |
2009年10月 |
大阪証券取引所における株式の上場を廃止 |
2010年7月 |
ブラジルにKuraray South America Representações Ltda.(現Kuraray South America Ltda.)を設立 |
2011年4月 |
歯科材料事業統合のため、株式会社ノリタケカンパニーリミテドとの間で共同出資の持株会社であるクラレノリタケデンタルホールディングス株式会社を設立。クラレメディカル株式会社と株式会社ノリタケデンタルサプライを、持株会社の100%子会社とする |
2011年11月 |
新潟事業所でアクリル系熱可塑性エラストマー<クラリティ>(商標)の生産開始 |
2012年4月 |
クラレメディカル株式会社が、株式会社ノリタケデンタルサプライ及びクラレノリタケデンタルホールディングス株式会社を吸収合併した上で、同社の社名をクラレノリタケデンタル株式会社に変更 |
2012年5月 |
タイにKuraray (Thailand) Co., Ltd.を設立 |
2012年6月 |
産業用ポバールフィルムの製造・販売会社であるMonoSol Holdings, Inc.及びその子会社を買収 |
2014年6月 |
E.I.du Pont de Nemours and Companyから同社グループのビニルアセテート関連事業を買収 |
2015年4月 |
バイオマス由来のバリアフィルム事業を展開するPlantic Technologies Limited及びその子会社を買収 |
2017年1月 |
クラレケミカル株式会社を吸収合併し、炭素材料事業部を新設 |
2018年1月 |
クラレリビング株式会社をクラレトレーディング株式会社に吸収合併 |
2018年3月 |
活性炭の製造・販売会社であるCalgon Carbon Corporationを買収 |
2018年6月 |
PTT Global Chemical Public Company Ltd.、住友商事株式会社との共同出資により、タイにおけるブタジエン誘導品の製造、販売を事業とする合弁会社Kuraray GC Advanced Materials Co., Ltd.を設立 単独出資により、タイにおけるイソブチレン誘導品の製造、販売を事業とするKuraray Advanced Chemicals (Thailand) Co., Ltd.を設立 |
2022年4月 |
東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行 |
事業内容
クラレは、多岐にわたる事業セグメントを持つグローバル企業です。主要な事業セグメントには、「ビニルアセテート」、「イソプレン」、「機能材料」、「繊維」、「トレーディング」、「その他」が含まれます。これらのセグメントを通じて、クラレは様々な製品とサービスを提供しています。
「ビニルアセテート」セグメントでは、ポバール(PVA)樹脂・フィルム、EVOH樹脂<エバール>・フィルムなどの製造・販売を行っています。北米、欧州、アジアの各地域で、関連会社を通じてこれらの製品が提供されています。
「イソプレン」セグメントでは、イソプレン系化学品・ファインケミカル、耐熱性ポリアミド樹脂<ジェネスタ>、熱可塑性エラストマー<セプトン>などの製造・販売を手掛けています。特に、クラレアメリカ社は<セプトン>等の製造・販売を行っています。
「機能材料」セグメントでは、メタクリル樹脂及び樹脂加工品、炭素材料、中空糸水処理膜などの製造・販売を展開しています。また、クラレノリタケデンタル㈱は歯科材料の製造・販売、Calgon Carbon Corporationは活性炭及び水処理機器の製造・販売を行っています。
「繊維」セグメントでは、ビニロン、人工皮革<クラリーノ>の製造・販売を行っており、アジア地域での販売も強化しています。クラレクラフレックス㈱は乾式不織布<クラフレックス>の製造・加工・販売を、クラレファスニング㈱は面ファスナー<マジックテープ>の製造・販売をそれぞれ担当しています。
「トレーディング」セグメントでは、クラレトレーディング㈱がポリエステル長繊維等のクラレグループ製品及び他社品の販売を行っています。
「その他」セグメントでは、液晶ポリマーフィルムの製造・販売、ゴム・樹脂加工品の製造・販売、各種プラントの設計・施工、生産付帯業務・物流サービスの受託など、多様な事業を展開しています。
これらのセグメントを通じて、クラレは世界各地で幅広い製品とサービスを提供し、多様な産業に貢献しています。
経営方針
クラレは、2026年度の創立100周年に向けて、長期ビジョン「Kuraray Vision 2026」を掲げています。このビジョンの下、同社は「独自の技術に新たな要素を取り込み、顧客、社会、地球に貢献し、持続的に成長するスペシャリティ化学企業」を目指しています。2022年度から始まった5年間の中期経営計画「PASSION 2026」では、サステナビリティの機会としての捉え方、イノベーションのためのネットワーキング、そして人と組織のトランスフォーメーションという3つの挑戦を設定しています。
クラレは、サステナビリティを重要な経営戦略の一つと位置づけ、気候変動への対応を含むサステナビリティ中期計画を策定しています。具体的には、2030年までに自社での温室効果ガス(GHG)排出量を2019年度比30%削減し、2050年にはカーボンネットゼロを目指すという長期目標を掲げています。また、多様性とインクルージョンの推進にも力を入れており、2030年度までに女性、外国人、中途採用者の管理職に占める割合を25%に到達させることを目標としています。
これらの取り組みを通じて、クラレは事業ポートフォリオの高度化を図り、持続可能な成長を目指しています。2023年度は、イソプレン タイ拠点、水溶性ポバールフィルム ポーランド新工場、米国での活性炭製造設備などの立ち上げを確実に行い、成長事業への重点的な資源配分を進めています。同社は、創立100周年となる2026年度に向けて、スペシャリティ化学企業としての持続的な成長を追求し続ける方針です。