デリカフーズホールディングスJP:3392

時価総額
¥134.3億
PER
9.7倍
外食産業や中食産業向けにホール野菜やカット野菜、ミールキットの製造・販売を行う青果物事業を主軸とし、物流事業や研究開発・分析事業も展開。

事業内容

デリカフーズホールディングスは、複数の事業セグメントを持ち、主に青果物事業、物流事業、研究開発・分析事業を展開しています。これらの事業は、デリカフーズ株式会社やデリカフーズ長崎株式会社、デザイナーフーズ株式会社、エフエスロジスティックス株式会社、楽彩株式会社などの子会社を通じて運営されています。

青果物事業では、デリカフーズ株式会社を中心に、外食産業や中食産業向けにホール野菜やカット野菜、ミールキットの製造・販売を行っています。ホール野菜は、カットされていない状態で提供され、品質維持を重視したチルド物流で配送されます。カット野菜は、業務用として提供され、真空加熱野菜という新たな商品も開発されています。

物流事業は、エフエスロジスティックス株式会社が担当し、外食産業や中食産業向けに小型チルド車による個別ルート配送を行っています。コールドチェーン化を進め、温度管理を徹底することで、商品管理に責任を持つ物流体制を構築しています。また、各地域の事業所間をつなぐ幹線物流網を整備し、在庫流動化を図っています。

研究開発・分析事業は、デザイナーフーズ株式会社が主に担当し、コンサルティング業務や研究開発業務、受託分析業務を行っています。新規ビジネスのサポートやメニュー提案、食のセミナーなどを通じて、外食産業や中食産業を支援しています。また、野菜の鮮度保持技術や消費期限の延長技術の開発を進めています。

受託分析では、抗酸化力研究に力を入れ、約4万検体のデータベースを活用して、青果物や食品の栄養素を評価しています。これにより、生産者や食品メーカー、小売・流通企業に対して、青果物の品質を科学的に分析し、提供しています。

経営方針

デリカフーズホールディングスは、持続可能な農業と国民の健康増進を目指し、青果物加工流通分野での価値創造を推進しています。同社は、長期ビジョンとして「野菜の総合加工メーカー」としての地位確立を掲げ、持続可能な農業の実現と個人の幸福と会社の繁栄の両立を目指しています。

同社の中期経営計画「keep on trying 2027」では、事業、顧客、商品ポートフォリオの変革を進め、各子会社が独自の事業展開を可能にすることを目指しています。また、顧客ポートフォリオの見直しを通じて、選択と集中を行い、取引口座数の適正化を図ります。

青果物サプライチェーンの構造改革も重要な戦略の一部です。輸入野菜の国産化を推進し、特に中国産原料の国産化を図ることで、持続可能な調達インフラの再構築を目指しています。また、他企業とのアライアンスを通じて、サプライチェーン全体の合理化を進めています。

研究開発への投資も拡大し、野菜の健康効果研究を推進しています。これにより、野菜の価値向上と消費拡大を図り、食材ロスの低減に貢献します。また、貯蔵技術の開発を進め、物流の合理化と新たな流通の仕組みを構築しています。

デリカフーズホールディングスは、気候変動や天候不順による収益インパクトの低減を図るため、貯蔵能力の増強や長期保存技術の確立に取り組んでいます。また、物流事業の拡大を通じて、安定した収益基盤の構築を目指しています。

同社は、多様な人材の採用と育成を通じて、社会的課題を解決できる組織の醸成を進めています。さらに、強固な財務基盤の構築を目指し、資金調達手段の多様化を図りながら、成長戦略の実現を推進しています。