ミライロJP:335A

時価総額
PER
バリアバリュー事業の有力企業。デジタル障害者手帳「ミライロID」やユニバーサルマナー研修、遠隔手話通訳を展開。2019年7月アプリ提供開始、2020年6月マイナポータル連携、導入事業者4,094、ユーザー43.5万人(2024年12月31日現在)。日本全国展開。

事業内容

ミライロは、障害のある人が日常生活や社会活動に参加しやすくするためのインフラやソリューションを提供する企業です。同社の主力はスマートフォン向けのデジタル障害者手帳「ミライロID」と、そのIDを軸にした企業向けのバリアバリューソリューションです。

主要な顧客は鉄道・高速道路・バス・タクシー・航空などの交通事業者、自治体、文化施設、金融機関や一般企業などで、導入先は幅広く拡大しています。同社はユーザー向けに「ミライロID」を無償提供しており、導入事業者数は4,094社、ユーザーは43.5万人に達しています。収益源は企業向けの広告配信やクーポン掲載、オンラインストアやチケットの販売手数料、研修・検定の受講料、コンサルティングや通訳等の受託サービスです。

事業は単一の「バリアバリュー事業」に集約しています。具体的には「ミライロID」(手帳認証、クーポン、マップ、会員向け機能など)と、その周辺のミライロIDソリューション(広告、ミライロクーポン、ミライロストア、ミライロチケット、外部システム連携など)、さらに調査・サーベイ・施設改修提案を行うコンサルティング群が中心です。加えて、当事者講師によるユニバーサルマナー研修・検定や、遠隔手話通訳・手話リレー、電話リレーの受託などのコミュニケーション支援サービスも提供しています。

経営方針

同社は「ミライロID」を核に、デジタル障害者手帳を軸とした事業拡大で持続的成長を図っています。現在の導入事業者数は4,094社、ユーザーは約43.5万人に達しており、売上や利益に加えて導入事業者数・ユーザー数・取引先数と1社あたりの平均売上高を重点KPIとして運用しています。2024年の合理的配慮の義務化や、国内の障害者人口(約1,164万人)・共用品市場(約3.1兆円)、世界の障害者関連の購買力(約18兆ドル)といった外部環境を追い風に、普及促進と収益化の両面で成長を目指しています。

重点的に投資するのは「ミライロID」の機能改善と企業向けソリューションの強化です。具体的には利用者画面の使いやすさ向上や新機能開発、他社システムとの連携機能を拡充することで導入企業の利便性を高め、広告配信・クーポン掲載・オンラインストアやチケット販売の手数料、研修・検定料、コンサルティングや遠隔手話通訳など複数の収益源を拡大します。技術プラットフォームに障害当事者の知見を組み合わせたコンサルティングや研修をセットで提供する点が差別化要因であり、一社あたりの継続的な売上拡大を狙う施策です。

新規市場や事業拡大については、交通事業者、自治体、文化施設、金融機関など既存の導入先に加え、連携企業との共同サービス開発を通じて導入チャネルを広げる計画です。大阪・関西万博や各種国際イベントに向けた環境整備の機会を活かし、企業のマーケティング施策として「ミライロID」を組み込むことで継続課金型の収益基盤を強化します。また、連携パートナーのパイプラインを増やし、調査・施設改修提案を含むコンサルティング受注を積み上げることで一社あたりの売上向上を目指しています。

技術革新では、デジタル化による業務効率化と利便性向上を優先しています。具体的にはAPIによる外部システム連携、アクセシビリティマップやクーポン配信の高度化、データ活用による利用者体験の最適化、遠隔手話通訳や電話リレーといったコミュニケーション支援サービスの性能向上に投資します。加えて、人材採用・育成やコーポレートガバナンス、コンプライアンス教育を強化し、内部管理体制と財務基盤の安定化(営業キャッシュ・フロー改善と内部留保の確保)を進めることで、技術投資を持続的に支える体制を整えています。