- 日本企業
- THEグローバル社
THEグローバル社JP:3271
事業内容
株式会社THEグローバル社は、首都圏を基盤に分譲マンションや収益物件の企画・開発・販売を中心とした不動産事業を展開しています。自社ブランドの新築マンションを主力とし、設計監理や建設、顧客向けのセレクトプランなどで付加価値を高めています。
同社の主要な顧客は、マンションのエンドユーザーである個人購入者、投資家や事業者、他のデベロッパーなどであり、収益は物件の売却収入、販売代理手数料、建物管理や賃貸・リースによる安定的な管理料・賃料収入などで成り立っています。グループは当社を含め計9社(連結子会社8社を含む)で構成され、親会社はSBIホールディングスです。
事業は主に分譲マンション事業、収益物件事業、販売代理事業、建物管理事業、ホテル事業の5分野に分かれており、それぞれ担当会社が役割分担しています。分譲マンションは企画・開発・分譲を一貫して行い、販売代理はモデルルーム運営や契約・引渡しまで担い、建物管理は入居者向けの管理運営やコミュニティ形成に注力し、ホテル事業は開発後に投資家へ売却しリースバックで運営する仕組みを用いています。
経営方針
同社は成長戦略として「事業の選択と集中」を掲げ、主力の分譲マンション事業と収益物件事業に資源を集中させる方針です。財務面では自己資本比率30%以上、ネットD/Eレシオ(純負債÷自己資本)2.0倍未満を目標に掲げ、安定した財務基盤の下で成長を図ろうとしています。外部環境としては国内不動産取引額が2024年に約8.5兆円と拡大し、賃貸マンションセクターも約1.1兆円に達したことを踏まえ、同社は市場の追い風を生かして事業を拡大する方針です(当期は分譲マンション4物件、収益物件32物件を引渡しています)。
重点投資分野として、同社は分譲マンションの企画・開発・販売に注力し、設計監理や顧客向けセレクトプランなどで付加価値を高める差別化を図っています。第一次取得者向けの商品に加え、富裕層向けの高グレード物件の開発も並行して進め、顧客満足度でナンバーワンを目指すという顧客中心の戦略で他社との差別化を図ります。グループ構成は親会社がSBIホールディングスを含む計9社で、販売代理や建物管理といった周辺事業も自社内で一貫して担うことで収益の安定化を図っています。
新市場開拓と事業拡大では、購買力の強い富裕層や投資家、外国投資家のニーズを取り込み、都心エリアの高グレードマンション開発を強化するとともに、大手デベロッパーとの共同開発を推進します。収益物件については出口戦略の多角化を進め、オフバランス対応などを含むスキーム活用や投資家への売却・リースバックによる運営などで資金回収の柔軟性を高める方針です。ホテル事業も開発後に投資家へ売却しリースバックで運営するモデルを採用しており、資産の流動化を通じた成長資金の確保を目指しています。
技術革新への取り組みとして、同社は商品企画やデザインの迅速化・高度化、顧客接点のデジタル化による販売力強化に取り組んでいます。具体的には、設計段階での三次元モデル活用や、入居後の管理運営でのデータ活用を進めることで品質向上と運営コストの低減を図る検討を進めています。建築費高騰や金利上昇といった外部リスクを踏まえ、技術とデータを使って開発効率と顧客満足度を同時に高めることを目指しています。