ブッキングリゾートJP:324A

時価総額
¥64.5億
PER
18.1倍
宿泊向け予約プラットフォームと集客支援の有力企業。グランピング特化の「リゾートグランピングドットコム」やペット同伴旅行「いぬやど」を展開。2025年4月期サイト訪問者数4,000万人超、会員数6万人突破、2023年2月ドッグヴィラ千葉南房総開業。日本国内中心に展開。

事業内容

ブッキングリゾートは、グランピングやペット同伴旅行など特定のニーズに特化した予約プラットフォームを運営し、宿泊施設の魅力を引き出して旅行者に訴求することで施設の売上最大化を目指しています。 同社は予約サイトの運営に加え、開業支援や運営コンサルティング、施設ごとの予約サイト制作やプロモーション支援などを行い、「滞在自体を楽しむ」宿づくりを支援しています。

同社の主な顧客は客室数が小規模な宿泊施設で、個人のグランピング愛好家やペット連れ旅行者といったテーマ志向の旅行者が利用者層です。 収益は原則として予約成立時に発生する成功報酬型の集客手数料が中心で、プラットフォーム経由の実績に応じて同社と施設の利害が一致する料金体系を採用しています(2025年4月時点でサイト訪問者は累計4,000万人超、会員は6万人超)。

事業は単一の「集客事業」内で、主に「集客支援事業」と「直営宿泊事業」の二本柱で展開しています。 集客支援事業では「リゾートグランピングドットコム」や「いぬやど」等のプラットフォーム運営、SEOや広告を使った誘導、集客任せの契約と販路一任の完全集客支援という契約形態を提供し、完全集客支援ではサイト制作やプロモーション費用を同社が負担します。 直営宿泊事業では自社で複数の施設を運営し、現場で得たノウハウを支援サービスに反映させることで差別化を図っています。

経営方針

同社は「宿泊業界をUP DATEする」という理念の下、集客支援と直営宿泊の二本柱で持続的な成長を目指しています。成功報酬型の料金体系を中核に据え、掲載客室数や予約獲得高の拡大によって流通総額を増やすことが売上成長に直結するため、まずはプラットフォーム利用者の拡大と掲載客室数の増強を重点目標としています。直近実績として2025年4月期通期のサイト訪問者は約4,395万人(期間累計)、掲載客室数は2,478室、通期の予約獲得件数は175,181件、平均客室単価は約7.6万円であり、同社はこれらの基盤をさらに拡大することで売上高成長率や経常利益率の改善を図ることを目指しています。

重点投資の分野は、予約プラットフォームの使いやすさ向上とプロモーション強化、そして施設運営支援の高度化です。具体的には、各施設ごとの予約サイト制作やプロモーション費用を同社が先行負担する完全集客支援を活用しつつ、営業体制を強化して能動的に新規施設を開拓します。また、運営管理サービスとして人員手配や問い合わせ対応、予約管理を代行することで従来の成功報酬に加え運営管理手数料を新たな収益源とする計画を進め、ペット同伴やグランピングといった専門性あるニーズでの差別化を図っています。

新市場開拓では訪日旅行(インバウンド)と地方リゾートの取り込みを加速します。訪日需要は回復が続いており、直近で外国人延べ宿泊者数は1億7,348万人泊に達するなど拡大基調にあるため、同社は多言語対応や多様な決済手段を備えた訪日旅行者向けの予約プラットフォームを整備するとともに、訪日客を主対象としたホテル型施設の開業を進め、そこで得た運営ノウハウを集客支援先へ横展開します。さらに、ペット市場向けの「いぬやど」などテーマ特化型サービスを拡充し、ニッチ需要の取り込みで地域の遊休地や小規模施設の活性化にも貢献する計画です。

技術革新への取り組みとしては、ユーザー画面や操作性の改善、検索エンジン対策、会員機能の拡充、データ分析基盤の整備に重点を置いています。会員を増やして既存ユーザーのロイヤリティと再利用率を高める施策(会員限定特典やコンテンツ強化)を進める一方で、旅行者行動や予約履歴を解析して顧客生涯価値を高める仕組みを構築します。これにより広告・プロモーションの効果を高めつつ、運営効率を向上させて収益性を確保することを同社は目指しています。