MERFJP:3168

時価総額
¥88億
PER
31.7倍
非鉄金属事業と美術工芸事業の有力企業。銅中心のインゴット約50品種とリサイクル原料約150品種の製造販売を、造船メーカーや住宅設備メーカー向けに展開。連結子会社3社、持分法適用関連会社1社のグループ体制。国内外に展開。

事業内容

MERFは、非鉄金属事業と美術工芸事業を二本柱に事業を展開しています。同社は銅を中心に、インゴットの製造・販売とリサイクル原料の加工・販売を主力とし、貴金属製の置物や仏像・仏具などの美術工芸品も製造・販売しています。

同社の非鉄金属事業の主な顧客は造船メーカーや住宅設備メーカー、電線メーカー、銅製錬メーカーなどで、インゴットや加工済み原料の販売が収益の中心です。美術工芸事業は高度な鋳造技術で付加価値の高い製品を生み出し、寺院や専門店、個人コレクターなどに販売しているため商品ごとに収益構造が異なります。

同社の事業セグメントは非鉄金属と美術工芸に分かれており、インゴットは約50品種を顧客の用途に合わせて製造しています。リサイクル原料は約150品種を選別・プレスして自社の溶解用材料や外部販売に回し、美術工芸は鋳造と仕上げを内製化して高付加価値品で差別化を図っています。

経営方針

同社は成長戦略として、非鉄金属のリサイクルを中核に事業規模の拡大と企業価値の向上を目指しています。具体的な売上目標は設定していないものの、売上高経常利益率、自己資本比率、自己資本利益率、有利子負債比率といった財務指標を重視して経営の健全化を図っており、海外拠点の設立や買収による収益基盤の強化を重要な成長ドライバーと位置づけています。これまでに2012年の米国拠点設立、2014年のタイでの合弁、さらに2025年1月の米国企業の事業譲受(California Metal‑Xの事業)といった具体的施策で海外展開を進めてきました。

同社は重点投資分野として銅を中心に据えつつ、付加価値化と差別化に注力しています。インゴットは顧客用途に合わせて約50品種を製造し、リサイクル原料は約150品種を選別・加工して自社溶解材料や外販に回すことで幅広い需要に応えています。美術工芸事業では鋳造から仕上げまで内製化し、高精度の鋳造技術と完成度の高い仕上げで寺院や専門店向けの高付加価値品を提供することで他社と差別化を図っています。ECを活用した販路拡大やキャラクター商品を用いた企画型営業も具体的な差別化施策です。

同社は新市場開拓と事業分野の拡大を積極的に進めています。国内需要が伸び悩む中で、今後の成長を見込める新興国や北米市場での営業基盤を強化する方針であり、これまでの米国・東南アジア拠点の実績を基にさらなる海外展開を図ります。また、銅系に偏らない事業構成を目指し、鉄やレアメタルといった新分野への経営資源投入や、循環型経済におけるバリューチェーン拡大を目指しています。そのための具体策として、海外人材の採用強化や現地企業との連携強化を進めています。

同社は技術革新にも注力しており、選別・溶解・精密鋳造といった生産工程の高度化を進めています。鋳造の原型再現性や最終仕上げの精度向上といった製造技術の改良に投資するとともに、製品の品質管理やトレーサビリティを強化するためのデジタル化・情報収集体制の整備を進めています。加えて、市場リスクに対しては先物や為替予約を用いたヘッジ手段の活用や市場関連知識を持つ人材育成を進め、安定的な事業運営を実現することを目指しています。