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マーケットエンタープライズJP:3135
事業内容
マーケットエンタープライズは、インターネットを軸に中古品の買取・販売を中心とする事業を展開し、それに付随する消費者向けメディアとモバイル通信サービスの三本柱で成長を図っています。同社はネット特化のリユースモデルを主力とし、個人・法人に対して手軽で信頼できる消費の選択肢を提供しています。
主要な顧客は一般消費者が中心であり、一部では農機具や建機を扱う法人も重要な取引先となっています。同社は中古品の仕入れ・販売で利ざやを確保すると同時に、リユース仲介プラットフォームの手数料やメディアからの送客に伴う成果報酬、モバイルサービスの契約収入など複数の収益源を組み合わせて収入を得ています。
事業は「ネット型リユース」「メディア」「モバイル通信」の三セグメントに分かれています。ネット型リユースでは「高く売れるドットコム」などの買取サイトで商品を集め、全国15拠点の拠点で在庫管理して自社ECや主要なマーケットプレイスで販売し、農機具は越境ECの販路も活用しています。メディアは消費者向け情報を発信して送客で収益化し、モバイルは子会社が「カシモ WiMAX」を中心にシンプルな料金とオンラインでの申込・発送体制を重視したサービスを提供しています。
経営方針
同社はネット型リユース事業を基幹に据え、成長市場でのシェア拡大を通じて企業価値の最大化を目指しています。リユース市場は2023年に約3.1兆円、2025年に3.3兆円、2030年に4.0兆円へ拡大する見込みであり、家庭に眠る不要品は約67兆円と推計されることを踏まえ、同社は買取件数の増加と1件あたりの仕入単価引上げで売上総利益の拡大を狙っています。2026年6月期からはメディア事業をネット型リユース・モバイル通信に再編・統合し、先行投資期間を終えた基幹事業を投資回収フェーズへ移行させ、販管費率の相対低下で利益を伸ばす計画です。
重点投資分野は買取チャネルの最適化、業務のデジタル化、人材確保・育成であり、これらにより収益性を高める差別化を図っています。具体的には全国約15拠点での在庫管理や越境ECなどの物流ネットワークを活用しつつ、買取チャネルごとの生産性を改善することで高い在庫回転と利ざや確保を目指します。メディア機能を同社の集客基盤として統合することで送客効率を高め、モバイルではシンプルな料金設計とウェブマーケティングによる新規獲得で他社との差別化を図っています。
新市場開拓・事業拡大については、マシナリー(農機具)商材を個人向けリユース商材の一部として統合し、共通顧客基盤を活用したクロスセルで追加商材の買い上げを促す計画です。海外向けの需要は依然強いものの海上運賃の変動やコンテナ抜港といった物流制約があるため、同社は国内取引比率の見直しや販売チャネルの多様化で在庫リスクを抑えつつ成長機会を取り込みます。またモバイル分野では5G回線の獲得強化、付帯オプション拡充や固定回線への新規展開により中長期的なストック収益基盤を拡大する方針です。
技術革新への取り組みとしては、業務効率化を目的としたDX投資とAI導入を積極的に推進しています。具体的には買取査定や在庫分類の自動化、データに基づく価格付けやマーケティングの高度化、要員配置の最適化によって1人当たり生産性を向上させる施策を実行中です。加えて経営管理体制のデジタルシフトや内部統制の強化を進め、透明性の高い運営と持続可能な成長を両立させることを目指しています。