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物語コーポレーションJP:3097
事業内容
物語コーポレーションは直営とフランチャイズで外食事業を展開する企業です。同社は国内外合わせて810店舗(直営499、フランチャイズ252、海外59)を運営し、郊外型の大型店を中心に幅広い飲食業態を展開しています。
主要な顧客はファミリー層を中心にシニアやおひとり様、ビジネス利用まで幅広く、利用シーンに応じたメニューと店舗設計で集客しています。収益は直営店の売上を軸に、フランチャイズからのロイヤリティや加盟金、業務受託料といった継続収入が補完する構造です。
事業は飲食の単一セグメントで、焼肉、ラーメン、寿司・しゃぶしゃぶ、お好み焼き、割烹、カフェ、ファストカジュアルなど14ブランドを展開しています。代表的な業態は「焼肉きんぐ」のテーブルオーダー式食べ放題や「丸源ラーメン」系列の熟成醤油ラーメン、「寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵」などで、郊外型と繁華街型を使い分けつつ、中国、インドネシア、香港、米国の子会社が現地で店舗運営を行っています。
経営方針
同社は「物語ビジョン2030」と「中期3カ年経営計画(2026~2028)」を掲げ、業態開発を軸にした全方位的な成長を目指しています。国内外での売上・利益の最大化を基本目標とし、直営499店・フランチャイズ252店・海外59店、合計810店舗(※最新の店舗数)をベースに、既存計画で掲げた数値目標は2024年6月期に1年前倒しで達成するなど、計画達成の実行力を示しています。同社は2030年までに業態開発型のリーディングカンパニーとなることを狙い、財務指標や資本効率の向上にも重点を置いています。
同社は重点投資分野として「業態開発力」と「人財力」を挙げ、人を中心に据えた差別化を図っています。具体的には既存ブランドの品揃え改定や店舗改装による顧客体験の向上、新業態の試験展開とフランチャイズ拡大による出店加速、さらに店長・調理スタッフの育成プログラム整備や評価制度の見直しを進めています。これによりファミリー層やシニア、一人客といった多様な顧客ニーズに応える店舗設計とサービスを強化し、他社との差異化を図っています。
新市場開拓と事業拡大については、国内では郊外型大型店を中心に成長を続ける一方で、都市型業態や小型業態の組み合わせで出店エリアを最適化する計画です。海外では中国、インドネシア、香港、米国の既存拠点を足場に、現地フランチャイズや合弁を活用した展開を進める方針で、海外59店舗の基盤拡大を目指しています。また、デリバリーやテイクアウト、業務受託といった既存業態外の収益チャネル構築も並行して進め、直営売上に加えてフランチャイズ料や業務委託収入の安定化を図っています。
技術革新には、現場の効率化と顧客接点の強化を狙った投資を行っています。注文・決済のデジタル化や予約・顧客データの活用で回転率とリピート率を高める施策、厨房の作業工程短縮や在庫調達の効率化でコスト構造を改善する取り組みを進めています。加えて、環境負荷低減のための省エネ設備導入や食品ロス削減施策、ESG情報の開示強化により持続可能性を高めることも同社の重要な技術的投資テーマです。