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アルペンJP:3028
事業内容
アルペンはスポーツ用品の小売と製造を主力とする企業です。同社の主な商品はゴルフ用品、スポーツ・カジュアルウェア、ランニングや球技用品、アウトドア用品、スキー・スノーボード用品などで、全国に実店舗と東京・福岡・名古屋の旗艦店を展開しています。
同社の主要な顧客は一般消費者やスポーツ愛好家で、ファミリー層から競技志向の利用者まで幅広く取り込みます。収益は店舗での物販が中心で、加えてスキー場やゴルフ場、フィットネスクラブなど施設運営によるサービス収入も得ています。
同社の事業は小売事業とその他事業の二本柱に分かれ、小売部門はゴルフ業態、スポーツ業態、アウトドアやウインター向けの商品部門に細分化しています。直近では2025年6月末現在でスポーツ業態185店舗、ゴルフ業態195店舗、アウトドア業態21店舗など合計425店舗を直営とフランチャイズで展開し、店舗網を通じた販売を強化しています。
経営方針
同社は「中期経営計画2027」を軸に、国内スポーツ小売でのシェア拡大と収益性改善を同時に追求しています。直近の連結実績は売上高約2,686億円、営業利益約85億円で、翌期見込は売上高2,820億円、営業利益90億円を計画しており、長期目標として売上高営業利益率10%の実現を目指しています。成長戦略の中核は既存店のリニューアルと継続的な新規出店による店舗網の強化で、地域ごとの需要に応じた品揃えや顧客体験の向上で売上基盤を底上げする方針です。
重点投資分野としては店舗の改装や売場づくり、人材育成、商品開発に資源を集中しています。具体的にはスポーツ、ゴルフ、アウトドアといった各業態での売場刷新や専門性を高めるスタッフ教育を進めるほか、主要ナショナルブランドとの協業強化と自社のプライベートブランド(企画・生産・物流・販売まで含む)拡充を行い、独自性の高い商品で差別化を図っています。在庫管理や販売予測の精緻化にも取り組み、売上総利益率の改善を目指しています。
新市場開拓と事業拡大では、全国の実店舗網(2025年6月末時点でスポーツ185店、ゴルフ195店、アウトドア21店の合計402店)を基盤にエリアカバレッジを広げると同時に、ECチャネルの強化を進めています。ECは現在売上高の約1割を占め、2025年6月に自社ECサイト「Alpen Online」をリニューアルして限定品や独自商品を増やす方針で、店舗とオンラインを連動させた購買体験の提供や施設事業(スキー場、ゴルフ場、フィットネスクラブ等)によるサービス収入の拡大も視野に入れています。会員プログラムは約1,456万人を抱えており、この顧客基盤を活用した販促や商品企画の高度化を進めています。
技術革新への取り組みとしては、AIやデータ分析、情報システム、物流設備への投資を加速させています。具体的には会員データを活用した需要予測と商品企画の精度向上、業務の自動化による生産性向上、店頭へのデジタル設備導入による利便性向上に注力しており、データに基づく経営判断の定着を図っています。これらによりコスト構造の改善と資本効率の向上を実現し、中長期で株主価値を高めることを同社は目指しています。