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ランドネットJP:2991
事業内容
ランドネットは、中古マンション等の買取・再生・販売を中核に、リフォーム・リノベーション、仲介、賃貸不動産の管理を行う不動産事業グループです。 同社は東京都を拠点に国内外で物件の取得から再生、販売まで一貫して手掛けています。
主要な顧客は、個人・法人の投資家や居住目的の購入者、国内外の不動産業者で、専有面積や築年でワンルーム(投資向け)とファミリータイプ(居住向け)に分けて取り扱っています。 同社の収益は物件売買の差益に加え、仲介手数料、賃貸管理料、家賃保証などのストック型収入から成り、台湾・香港の子会社を通じて海外需要も取り込んでいます。
事業は大きく不動産売買事業と不動産賃貸管理事業に分かれており、売買では直接買取による仕入れと仲介を柔軟に使い分け、リフォームで付加価値を付けて販売しています。 賃貸管理では管理受託を基盤とし、子会社による家賃保証サービスを組み合わせて安定した収益の確保を図っています。
経営方針
同社は2026年7月期を初年度とする3か年の中期経営計画を掲げ、「お客様のライフプランを実現する不動産運用顧問」を目標に、取引規模の拡大と経常利益の改善を目指しています。経営の評価指標としては金融コストを含む経常利益を重視し、不動産売買では取引件数、賃貸管理では管理戸数を主要な管理指標に設定しています。また、安定した仕入れ資金確保のため大手金融機関を含む当座貸越枠で総額約91億円の資金調達枠を確保しており、販売回転の短縮や在庫リスクの低減を通じて投資回収の期間短縮を図っています。
重点投資分野は買取・再生・販売を軸とした売買事業の強化と賃貸管理のストック収益の拡大です。従来の区分所有マンション中心から戸建て、1棟アパート・1棟賃貸マンション・ビル等へ取り扱いを広げることで収益機会を増やす方針で、物件仕入れでは同社が保有する約374万件の不動産データベースを活用して所有者へ直接働きかけることで他社に対する優位性を確保しています。販売面では棚卸資産回転率の向上や販売活動の強化により、在庫滞留や評価損のリスクを低減する具体策を進めています。
販路と市場の拡大にも積極的に取り組んでおり、首都圏を中心に渋谷支店(2024年11月開設)や既存の池袋本社・横浜支店に加え、2018年に大阪支店、2021年に福岡支店を展開、福岡は2023年12月に増床移転を行っているほか、2026年7月期には大阪支店の増床を検討しています。海外では2013年に台湾・香港に子会社を設立して以降日本物件の紹介と賃貸管理を継続しており、今後はアジア圏や米国への展開も視野に入れています。投資家向けのチャネル拡大としては、不動産クラウドファンディング「LSEEDクラファン」(2024年1月開始、ファンド組成回数は2桁超)や、2025年4月開設の検索サイト「LSEED不動産投資」により一般投資家への提供を強化しています。
技術面では情報資産の一元活用を重視し、自社開発の不動産クラウドプラットフォーム(RCP)で各事業部のシステム統合とデータ連携を進めています。第1次開発で経営・マーケティング戦略の迅速化と事業継続計画の強化を実現し、第2次開発では賃貸事業の基幹システムを統合して約374万件の蓄積データを融合し収益力向上を目指しています。情報セキュリティ面では2018年5月にISO/IEC27001の認証を取得し、AIを活用したネットワーク監視などでリスク低減に取り組んでおり、同社はRCPとデータ活用を通じて競争優位の確保を目指しています。