STIフードホールディングスJP:2932

時価総額
¥264億
PER
16.9倍
水産原料の調達から製造・販売まで一貫して行う、コンビニ向け水産惣菜、缶詰・レトルト製品等の食品製造販売。

沿革

1988年12月

十見裕(現 当社代表取締役社長CEO)が水産原材料及び水産食材の輸出入販売を目的として、東京都港区に新東京インターナショナル㈱を設立

1989年1月

北米アラスカよりマダラの白子の輸入開始

1989年4月

国産ホタテ貝柱IQF(個別急速凍結)の北米向け及びヨーロッパ向け輸出開始

1989年5月

国産カニ風味かまぼこの北米向け輸出開始

1991年7月

ロシア産サーモン及びアラスカ産サーモンの輸入開始

1997年4月

新東京インターナショナル㈱が国産ホタテ貝柱やカニ風味かまぼこの北米向け輸出窓口及び北米産水産原材料の検品並びに集荷を目的として、アメリカ合衆国ワシントン州シアトルにSTI AMERICA Inc.を設立

1997年8月

新東京インターナショナル㈱が生鮮イクラの静菌管理技術(細菌の発育・増殖を抑制する技術)を開発し、コンビニエンスストア向けおにぎり用の味付イクラを発明し製造販売開始(特許権「イクラの静菌保冷方法」、出願日1997年8月25日、登録日2001年7月6日、特許第3208359号)

1998年1月

南米産サーモンの輸入及び㈱セブン-イレブン・ジャパン向け販売を開始

2000年3月

新東京インターナショナル㈱及び十見裕が南米産養殖サーモンの各工程の検査・検品を目的として、チリ共和国ロス・ラゴス州プエルトモントにSTI CHILE S.A.を設立

養殖サーモンの卵から成魚に至る過程において、養殖環境や飼料成分等も含めた検査・検品により、養殖臭のない高品質な水産原材料調達を開始

2003年12月

新東京インターナショナル㈱が水産系食材の製造を目的として、東京都港区に㈱新東京エナックを設立

2004年6月

新東京インターナショナル㈱が㈱トクスイコーポレーションより食材製造工場(福岡県糸島市)の土地・建物・設備一式を買収し、㈱新東京エナックに貸与

自社グループ工場取得により、ニーズに即応できる商品開発体制、特許知財や独自技術の管理体制等を強化

2006年1月

新東京インターナショナル㈱が㈱セブン-イレブン・ジャパン向け惣菜の製造・販売を目的として、東京都港区に㈱新東京フードを設立

2006年2月

㈱新東京フードが、㈱伊豆初から㈱セブン-イレブン・ジャパン向け惣菜の製造及び販売に係る事業・設備を譲り受け、これにより取得した船橋工場において消費者向け最終食品メーカーとしての事業を開始

2006年8月

新東京インターナショナル㈱が、最終食品メーカーとしての事業を強化する観点から、㈱セブン‐イレブン・ジャパンに㈱新東京フードの株式10.0%を譲渡

2007年5月

STI AMERICA Inc.が資本金を104千米ドルに増資

2010年4月

新東京インターナショナル㈱が民事再生を申請

2010年9月

㈱極洋が設立したエス・ティー・アイ㈱に、新東京インターナショナル㈱が事業譲渡

2013年3月

新東京インターナショナル㈱の清算が完了

2010年9月

㈱極洋が設立したエス・ティー・アイ㈱に、新東京インターナショナル㈱が事業譲渡

2012年8月

㈱新東京エナックにおいて、惣菜を製造開始するに際し、高品位・高品質な製品製造のために過熱水蒸気焼成機を導入(350度の水蒸気で焼成し、魚の脂肪の独特な臭いをコントロールするために同機を導入)

2013年4月

当社グループ間シナジーを最大限に発揮するため、㈱新東京フードが、同社を存続会社としてエス・ティー・アイ㈱を吸収合併

2014年5月

㈱新東京フードにおいて、社会的課題であるフードロス削減のために消費期限延長に取り組み、配合ガス置換包装機を惣菜に初めて導入

ガスの配合方法や、機能(配合ガスの充填方法等)の異なる2台の配合ガス置換包装機を商品によって使い分けるノウハウにより、消費期限の延長に大きな効果(使用前は約3日間、使用後は約10日間)を得る

2015年10月

常温保管できる缶詰等の製造・販売事業に取り組むべく、㈱新東京フードが東京都港区に三洋食品㈱を設立

2015年12月

三洋食品㈱が缶詰・ペットフードの製造・販売を目的として、三洋食品㈱(注)1及び関係会社であるサンプリンスフーズ㈱(工場は静岡県焼津市及び宮城県石巻市)から事業譲渡を受ける

2016年3月

㈱新東京フードが資本金を100百万円に増資

2017年11月

当社グループが持株会社となるための準備会社として、㈱新東京フードが㈱STIフードホールディングス(以下、「当社」という。)を東京都港区に設立

2018年1月

当社が資本金を100百万円に増資

当社グループの事業再編を目的として、当社が㈱新東京フードと株式交換及び㈱新東京フードを吸収分割し、事業持株会社となる

2018年1月

当社が、家庭で焼いた手作りのサーモンフレークの食感、形状を有したおにぎり用サーモンフレークの製造特許を出願し、製造販売に取り掛かる(当社商品名「紅鮭フレークホットパック(

注)2」、特許権「パック入り焼成魚肉フレークとその製造方法」、出願日2018年1月15日、登録日2020年6月23日、特許第6722363号)

2018年8月

当社が惣菜の供給体制の強化を目的として、東京都港区に㈱新東京デリカ(現 ㈱STIデリカ)を設立

2018年10月

㈱新東京デリカ(現 ㈱STIデリカ)がワタミ㈱のワタミ手づくり厨房白岡センターにおける食品製造販売事業を会社分割により承継

2019年2月

㈱新東京デリカ(現 ㈱STIデリカ)が、新しいジャンルの開発商品としてサラダフィッシュ(サーモン、サバ、マグロ)を㈱セブン-イレブン・ジャパン東日本地区中心に製造販売開始

ノウハウをグループ共有し、西日本地区は㈱新東京エナック(現 ㈱STIエナック)にて製造販売開始

2019年6月

持続可能な水産資源への取り組みとして、世界的水産機関であるMSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)及びASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)それぞれの認証資源(原材料)を使用し、ロジスティクスも含む最終商品製造に至るまでの当社グループの一貫した垂直統合型バリューチェーンが、MSC-CoC認証(Marine Stewardship Council Chain of Custody:海洋管理協議会による、持続可能な漁業で漁獲された水産原料を使用し加工流通過程に至るまでの一貫した管理体制の認証)及びASC-CoC認証(Aquaculture Stewardship Council Chain of Custody:水産養殖管理協議会による、環境に配慮した持続可能な養殖水産原料を使用し加工流通過程に至るまでの一貫した管理体制の認証)それぞれの認証を取得

2019年7月

当社が、家庭で焼いた手作りの焼きタラコの様に、表面は焼成され、内側は生感や粒感を残した焼きタラコの製造特許を出願し、製造販売に取り掛かる(当社商品名「熟成たらこホットパック(注)2」、特許権「パック入り焼きタラコとその製造方法」、出願日2019年7月1日、特許出願番号 特願2019-122967)

2019年12月

当社のグループガバナンス体制の強化を目的として、三洋食品㈱の株式を取得し、完全子会社化(議決権比率100%)

2020年4月

当社グループ会社とのシナジー効果の向上を目的として、㈱ヤマトミへの支援を継続するも、民事再生法のもと民事再生計画が確定したため、実質支配力基準に基づき㈱ヤマトミを子会社化

2020年6月

当社のグループガバナンス体制の強化を目的として、㈱ヤマトミの全株式を取得(議決権比率100%)

2020年6月

当社のグループガバナンス体制の強化を目的として、STI AMERICA Inc.の株式を取得し、完全子会社化(議決権比率100%)

2020年9月

東京証券取引所市場第二部に株式を上場

2021年4月

当社グループの効率的な組織運営を目的として、三洋食品(現 ㈱STIミヤギ)が会社分割し、静岡県焼津市における水産食品やペットフードの製造・販売、卸売及び輸出入事業を新設するSTIサンヨーに承継させるともに、東北地区における水産食品事業の一層の強化を目的として、ヤマトミを吸収合併

2022年4月

東京証券取引所の市場区分再編に伴い、スタンダード市場へ移行

事業内容

STIフードホールディングスとそのグループ企業は、水産原料の調達から製造・販売までを一貫して行う食品メーカーです。同社グループは、市場が拡大傾向にある中食ビジネスを中心に、海外及び国内で調達した水産原材料を用いた消費者向けの最終商品を製造し、コンビニエンスストアをはじめとする小売チェーン店へ販売しています。特に、持続可能性と美味しさを追求し、特許技術を含む独自の製造技術を用いています。

同社グループの事業内容は、主にコンビニエンスストア向けの水産惣菜(焼き魚、煮魚など)の製造・販売、および水産原材料を使った缶詰・レトルト製品の製造・販売に分かれています。これらの製品は、STIフード、STIデリカ、STIエナック、STIサンヨー、STIミヤギ、STI AMERICA Inc.、STI CHILE S.A.などのグループ企業によって製造されています。

また、同社グループは、コンビニエンスストア向けおにぎり・弁当・パスタ・サラダ等に使用される水産食材の製造・販売も行っており、サーモンフレークやイクラ、タラコ、辛子明太子などの製品を提供しています。これらの食材は、特許を取得した製法技術により、家庭での焼き立ての味や食感を再現しており、消費者から好評を得ています。

同社グループは、品質管理とトレーサビリティの確保にも力を入れており、MSC-CoC認証やASC-CoC認証を取得した原材料の使用を優先しています。また、製品の品質確保のために、印字カメラによる印字検査、X線検査、金属検出機、ウエイトチェッカーによる秤量検査、そして目視確認を行っています。これにより、安全・安心な食品製造・販売を確実に担保し、社会的責任を果たしています。

経営方針

STIフードホールディングスは、持続可能な原材料の調達と製造に注力し、特許技術を含む新技術による製品開発を推進しています。同社グループは、社員の幸せと社会の豊かな未来を目指し、国内外の食料資源を大切にしながら、価値ある食文化の創造に責任を持って取り組んでいます。その経営方針は、変革創造、自主自立、誠心誠意、一致団結の4つの行動指針に基づいています。

経営戦略として、同社グループは食の安全・安心、天然水産資源の維持、安全な養殖水産資源の獲得といった社会課題に対応しつつ、持続可能なバリューチェーンの創造を目指しています。これには、持続可能な原材料及び製造への取り組み、フードロス削減、環境に配慮した設備導入、3温度帯におけるバーティカルインテグレーションの深耕、新商品開発、中食市場への取り組み、高齢者向け惣菜開発、知的財産権の取得、M&Aの推進などが含まれます。

また、同社グループは、新規商品の開発、生産体制の増強、販路の拡大に注力しています。これには、水産素材による惣菜の開発、フードロス削減への新技術による取り組み、健康志向に応える商品開発、新工場の建設と既存工場の生産ライン拡充、国内外の新市場開拓などが含まれます。人材の確保・育成、安全・安心を追求した品質管理、内部管理体制の強化も重要な取り組みとして位置づけられています。

これらの戦略を通じて、STIフードホールディングスは、社会の変化に柔軟に対応し、持続可能な成長を目指しています。