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ヴィレッジヴァンガードコーポレーションJP:2769
事業内容
ヴィレッジヴァンガードコーポレーションは、書籍を核に雑貨や音楽・映像ソフト、食品、衣料品といった多様な商品を取り扱う小売業です。同社では遊び心のある品ぞろえと店舗での発見体験を重視し、来店を促す売り場づくりを主力としています。
主要な顧客は個人消費者で、収益の大部分は実店舗での物販によって生み出されます。売上は商品構成や客単価、来店頻度、店舗数の変動に影響を受けやすく、店舗運営が収益基盤の中心です。
同社は単一セグメントで事業を展開し、国内の本体と連結子会社で店舗運営を行う形態です。一方で海外の連結子会社は既に店舗を閉鎖し清算手続きを進めており、現在の主要な製品ラインは書籍、雑貨、音楽・映像ソフト、食品、衣料で店舗での陳列や商品ミックスで差別化を図っています。
経営方針
同社は「遊べる本屋」を核に事業を成長させ、企業価値と株主価値の向上を目指しています。具体的な経営指標として総資産利益率(ROA)を10.0%、自己資本利益率(ROE)を15.0%、売上高に対する経常利益率を10.0%の目標に掲げています。直近の連結業績ではROAが△4.6%、ROEが△228.9%、売上高経常利益率が△4.0%と目標を大きく下回っているため、短中期では収益改善と資産管理を両立させることを重視しています。
同社は差別化として各店舗ごとに独創的な売り場を作ることに重点を置いています。具体策としてはオリジナル商品の開発を強化し、コンテンツ連携やイベント実施で来店動機を喚起すること、並びに販売費及び一般管理費の削減により採算性を高めることを掲げています。商品原価や在庫の最適化、スタッフ配置の見直しといった現場改善を進めることで、単なる品ぞろえ競争ではなく「発見体験」を軸にした差別化を図っています。
新市場開拓や事業拡大では、店舗・POPUP・オンラインの三本柱を明確にして展開する方針です。既存の実店舗に加え、期間限定の出店や催事で新しい顧客接点を作り、オンライン販売の拡大で販路を補完することを計画しています。また、海外子会社の整理を通じて国内事業に注力しつつ、新規事業やオンライン中心のチャネル拡大によって収益源を多様化し、企業価値の向上を図っています。
技術革新については、管理系システムの整備と業務の標準化を通じて本部機能をコンパクト化し、効率的な人材育成環境を整えることを進めています。具体的には在庫管理システムの導入による滞留在庫の削減(総資産に占める棚卸資産割合が高い点を改善)、販売データの活用による発注最適化、オンラインと店舗の在庫連携や物流改善などに投資しています。これらにより現場の生産性を高め、掲げるROAやROEの目標達成を実務面から支援していく計画です。