ガーデンJP:274A

時価総額
¥142.4億
PER
10.9倍
M&Aを活用した飲食事業の有力企業。横浜家系ラーメン壱角家や山下本気うどん等の多業態ブランド展開。企業再生型M&Aで出店拡大、2021年10月の商標獲得や2022年3月のブランドアンバサダー就任等のイベント。店舗数195店(2025年2月28日現在)、国内中心にアジア圏へフランチャイズ展開。

事業内容

ガーデンは、M&Aを活用して赤字企業を買収・再生し、直営店とフランチャイズで飲食チェーンを展開しています。 同社はラーメンやうどんをはじめ、ステーキや寿司など幅広い業態を主力に、不動産仲介やフランチャイズ本部の機能も併せて運営しています。

同社の顧客層は日常的に利用する若年層や家族連れ、外食での機会利用をする来店者が中心で、業態ごとに客単価帯を分散させて集客を安定させています。 収益構造は飲食店舗の売上が大半を占め、2025年2月期はラーメン事業が約67%を占め、主力の壱角家ブランドだけで売上の約63%を稼いでいます。 直営161店、フランチャイズ32店を含む合計195店(2025年2月時点)と直営比率が高い点も特徴です。

事業セグメントはラーメン事業(壱角家など)、レストラン事業(山下本気うどんやハワイアンレストラン)、ステーキ事業、寿司事業、フランチャイズ事業、そして一部の不動産事業に分かれています。 同社はM&Aと業態転換で得た運営マニュアルと人材育成体制により店舗の収益性を高め、既存店の活用や低投資での出店、短期間での投資回収(壱角家平均20か月、山下本気うどん平均18か月)を実現してさらなる拡大を目指しています。

経営方針

同社は成長戦略の中核に「収益性の向上と安定した拡大」を据えており、営業利益率、ROA、ROEを各々10%以上にすることを目指しています。具体的には創業以来12社のM&Aで得た店舗網とノウハウを活用し、2025年2月時点で直営161店、フランチャイズ32店の合計195店を運営しています。主力ブランドの壱角家は売上約102.6億円(10,258,841千円)でグループ売上の大きな柱となっており、山下本気うどんも約23.6億円(2,364,854千円)を稼ぐなど、既存店の収益性を高めつつ新規出店で成長を加速させる方針です。

重点投資分野はブランド強化と店舗運営の効率化であり、同社はQSCA(品質・サービス・清潔さ・雰囲気)の向上に投資しています。具体策として既存店の内外装改修による従業員の動作工数削減や提供スピード向上、衛生管理体制の強化、従業員の健康管理の徹底を行っており、駅乗降者数20万人以上のターミナル駅を中心とした駅前立地での出店を続けることで差別化を図っています。加えて不動産事業とのシナジーでREINSへの直接アクセスや自社サイトから未公開物件を早期に獲得するなど、立地獲得のスピードとコスト面で優位性を持たせています。

新市場開拓と事業拡大はM&Aとフランチャイズの二本柱で進めています。被買収企業の店舗を自社ブランドに業態転換することで物件取得から開店までの時間と投資を短縮し、フードコート出店や繁華街での路面店展開を並行して行う計画です。海外展開も進めており、既にマレーシアとタイに出店実績があるほか、山下本気うどんのフランチャイズ募集を2024年3月に開始しており、国内外での加盟店拡大と既存加盟店のリテンション強化により短中期での店舗数拡大を目指しています。目安としては既存ブランドの投資回収期間を壱角家で平均20か月、山下本気うどんで平均18か月程度に維持する方針です。

技術面ではデジタルを活用した顧客接点と業務効率化に注力しており、同社はスマートフォンアプリの活用で会員基盤を拡大しています。2025年2月末時点でアプリダウンロード数は58万人を超え、壱角家単体で44万ダウンロードを突破、来店ポイント(10ポイントでラーメン一杯無料)やプッシュ通知を使った販促で来店頻度を高めています。さらに来店データの蓄積・分析により年代別の訴求(山下本気うどんでは顧客の73.9%が30代以下)を行い、デジタルスタンプ化や非接触対応による感染対策、屋上3Dビジョンなどの広告技術も組み合わせてブランド認知と来店動機を強化しています。