フェスタリアホールディングスJP:2736

時価総額
¥21.2億
PER
13倍
宝飾品の有力企業。企画から製造・販売までを自社で行うSPAモデルを採用。第62期(2024年9月1日〜2025年8月31日)における宝飾店売上高8,703百万円。日本に百貨店中心で2025年8月31日時点で75店舗、台湾に9店舗、ベトナムに生産工場を設立。

事業内容

フェスタリアホールディングスは、親会社と連結子会社4社で構成され、貴金属や宝石、アクセサリーの製造・加工と販売を主力事業としています。同社は国内で百貨店やショッピングセンターを中心に75店舗を展開し、ECや卸売、富裕層向けのビジネスも手がけています。海外では台湾に9店舗を展開するとともに、ベトナムに生産工場を置き企画から製造・販売まで一貫して行う体制を整えています。

同社の主要顧客は百貨店やショッピングセンターを利用する一般消費者に加え、富裕層や卸先など多様です。収益構造は国内小売が中心で、直近期の売上構成では宝飾店業態が約92.6%を占め、海外小売が約4.6%、卸売が約2.8%となっています。

事業セグメントは大きく国内宝飾小売、海外宝飾小売(台湾)、宝飾品卸売の三本柱で構成しています。商品ラインは貴金属類・宝石類・アクセサリーが中心で、店舗販売に加えECや自社生産を活かした企画・製造体制で商品供給を行っています。

経営方針

同社は中期経営計画「festaria 2030」を掲げ、持続的な成長と企業価値の最大化を目指しています。直近では国内に75店舗、海外は台湾に9店舗を展開し、売上構成では国内小売が約92.6%を占める事業基盤を持っています。単年度の数値目標は明示していませんが、同社は顧客生涯価値(LTV)の最大化を重視し、単純な店舗数拡大ではなく一人当たりの生産性向上や収益性改善を通じて中期的な成長を実現する方針です。

同社は差別化のために人材と商品力への重点投資を進めています。店舗接客力強化として「接客のプロ」の育成やマネジメント力向上、DXに伴うリスキリングを実行し、海外人材の採用も強化します。商品面ではUSP商品「Wish upon a star®」を軸にデザインと価格帯の多様化を図るほか、富裕層向けにはパーソナライズや専用のアフターサービスを拡充して資産性の高い商品の確保を目指しています。加えて素材リサイクルやリフォーム事業の強化、トレーサビリティの向上により環境配慮と顧客ロイヤルティの向上を図ります。

同社は新市場開拓と事業拡大に向けて海外展開と生産基盤の強化を進めています。台湾子会社をアジアの重要拠点と位置づけ、東南アジアへの小売展開や越境ECの検討を通じて販路を拡大する計画です。ベトナムの生産拠点ではOEM受注の拡大や生産合理化を進め、品質向上により2025年7月には伊勢丹との共同開発コレクション「LUX eternal」を発売するなど成果を上げています。国内では戦略的なスクラップ&ビルドを行い、出退店政策は顧客LTV重視で実行しています。

同社は技術革新を事業の中核に据え、コミュニティ基盤の構築と業務効率化を図っています。新基幹システムを2026年春に本格稼働させ、これを中核に共感型プラットフォーム「festaria ONE」を実装して顧客・取引先・社員がつながる仕組みを作る計画です。技術面ではクラウド環境やAPI優先設計、統合データ基盤、リアルタイム在庫管理を整備し、会員制度「festaria Members Club」や店頭とECを連動させる施策、販売スタッフ向けのアフターフォロー提示機能などで顧客体験と再来店を促進します。