ワッツJP:2735

時価総額
¥86.5億
PER
9.5倍
100円ショップ事業の有力企業。「Watts」「Watts with」「meets.」「silk」などの直営チェーン展開。店舗数1,877店舗(2025年8月31日現在)と外部委託物流センターによる迅速な供給体制。国内多数店舗とタイ1店、ペルー3店での海外展開。

事業内容

ワッツは、文具・掃除・台所・衛生用品など日用消耗品を中心に扱う100円ショップを全国で展開しています。同社は直営のチェーン店舗で低価格の生活雑貨を販売することを主力事業としています。

主な顧客は日常的に来店する一般消費者で、売上の大半は店舗での小売販売が占めています。同社はほかの小売業者への卸売も行っており、直営販売と卸売を合わせた単一セグメントで収益を確保しています。

同社の店舗数は2025年8月31日現在で1,877店舗に達しており、多くがショッピングセンターやスーパー内のテナント型です。加えて、生活雑貨店やディスカウント店、海外の均一店など複数の業態を運営し、メーカーや問屋との直送体制や外部委託の物流センターで迅速な補充と小口配送を実現しています。

経営方針

同社は中核の100円ショップ事業を軸に、売上と収益の着実な拡大を目指しています。次期の連結業績予想は売上高6万3,000百万円(前期比2.3%増)、営業利益1,500百万円(同5.7%増)、経常利益1,500百万円(同5.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益900百万円(同3.4%増)としており、指標面では売上高経常利益率を当面2.4%→中期的に5.0%へ、自己資本当期純利益率(ROE)を7.1%→中期的に10.0%へ高めることを目標としています。価格維持の象徴として「100円」の売価にこだわりつつ、収益性の改善を図る戦略です。

重点投資は商品力強化と販売チャネルの充実に置かれています。同社は自社で企画・開発した高品質な生活雑貨を自社ブランドとして投入するほか、月替わりの販促やインフルエンサーと協働した商品開発で差別化を図っています。100円に加え価値を付けた100円以上の商品も導入して顧客満足を高め、店舗数(2025年8月末で1,877店)を基盤にオンライン注文や店頭受け取りを強化することで、購買頻度と客単価の向上を狙っています。

海外と新業態は新たな成長エンジンと位置づけられています。同社は「Buona Vita」「Tokino:ne」「リアル」といった生活提案型の新業態で国内の収益基盤を多様化し、海外では東南アジアや中南米でのフランチャイズ展開と現地パートナーとの卸売拡大を進める計画です。国内の成長鈍化を見据え、既存事業の拡充と新規市場の開拓によってグループ全体の売上構成比を高めることを目指しています。

技術革新では業務の効率化と顧客利便性向上に投資を続けています。自動発注システムやセルフレジの導入で省人化と生産性向上を図り、メーカー直送や外部物流センターの活用で補充の迅速化を実現しています。さらに、グループ全体を視野に入れたオンラインショップ拡充を進め、環境配慮(レジ袋見直し、LED化、社内ペーパーレス)や防災プロジェクトを通じた商品開発にも取り組むことで、コスト管理と持続的な企業価値向上を同社は目指しています。