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SapeetJP:269A
事業内容
Sapeetは「ひとを科学し、寄り添いをつくる」を掲げ、AIと3D技術を用いて人の身体性や行動をデータで分析・可視化する事業を展開しています。Expert AIを中核に、企業向けのカスタムAI開発と自社のSaaSプロダクトの両輪でサービスを提供しています。
同社の主要顧客は整体院、接骨院、フィットネスなどのウェルネス業界を軸に、アパレルや寝具、小売・不動産、宝飾、さらには自治体やNPOといった幅広い業種にわたります。収益面は、導入・コンサルティング等のプロジェクト収入と、保守・ライセンスやSaaSの定期課金によるストック収入の組み合わせで成り立っています。
事業は大きくAIソリューションとAIプロダクト(「カルティ」ブランド)の二本立てで展開しています。AIソリューションは顧客要件に合わせた導入支援やPoCから実装・運用まで一気通貫で対応し、AIプロダクトはシセイカルテ(姿勢分析)、マルチカルテ(カスタマイズ可能な電子カルテ)、カルティセールス(商談支援)、カルティチャット(チャット接客)の主要製品群をSaaSで提供しており、シセイカルテがプロダクト売上の中心を占めています。
経営方針
同社は「ひとを科学し、寄り添いをつくる」をミッションに掲げ、Expert AIを中核とした成長戦略をとっています。目標としては売上高成長率40%以上の維持や、ストック型売上比率を約50%に保つことを掲げており、既存契約から算出するARR(年間継続収益)の拡大や取引社数の増加を通じて、安定的な収益基盤と高い成長性の両立を目指しています。現在は研究開発やマーケティングへ先行投資を行うフェーズから回収フェーズへの移行期にあり、顧客数・アカウント数の増加で損益分岐点を超え黒字化を図る計画です。
重点投資分野は開発体制と営業体制の強化、そして内部統制と情報管理の充実です。技術面ではコンサルタント、デザイナー、エンジニア、アルゴリズム担当、理学療法士など多職種を横断する共通の開発基盤を整備し、技術とインフラを共通化することで開発コスト低減と製品化のスピードアップを図っています。顧客向けには個別要件に対応するAIソリューションを提供し、初期投資を抑えたい中小事業者向けにはSaaS型の「シセイカルテ」や「マルチカルテ」といったプロダクトで差別化しています。
新市場開拓ではウェルネス業界を軸に、アパレルや寝具、小売・不動産、宝飾、自治体・NPOなど幅広い業種へ展開を進める方針です。国内ではデスクレスワーカーが就業者の約60%を占める点に着目し、紙中心の現場業務のDXをAIで支援することで市場を拡大しようとしています。加えてAIプロダクトは多言語対応を進め、まずはプロダクトを起点に海外展開を検討しており、事業から生まれる技術・データを活用したプラットフォームビジネスの創出も目指しています。
技術革新の取り組みとしては、AIと3D解析を組み合わせた姿勢・行動解析を核に研究開発を継続しています。具体的には「シセイカルテ」で既に100万回以上の姿勢分析データを蓄積しており、これをモデル改良や新サービス開発に活用する計画です。同時に個人情報や機密情報の取り扱いを厳格化しながら、システムの安定稼働とインフラコストの効率化に投資し、エンジニアやアルゴリズム人材の採用・育成を通じてプロダクトの品質向上とスケーラビリティ確保に努めています。