- 日本企業
- キッズスター
キッズスターJP:248A
事業内容
キッズスターは、子どもの「ごっこ遊び」をデジタルで再現し、成長を支援するファミリー向けのデジタルコンテンツを開発・運営するインターネットメディア企業です。主力サービスはスマートデバイス向けの社会体験アプリ「ごっこランド」で、子どもが職業や社会の役割を楽しみながら学べる無料の知育アプリを提供しています。
同社の利用者は主に子育て世代の家庭で、ユーザーは無料で遊べる一方、収益は企業や自治体からのパビリオン出店料や協賛料が中心です。加えて、2024年から始めたリアルイベント「ごっこランドEXPO」では出店企業と開催施設の双方から収益を得るモデルに拡大し、海外版「Gokko World」でも同様の出店料モデルを展開しています。
同社の事業は、核となる「ごっこランド」のアプリ運営に加え、地域体験デジタルガイド「ジモトガイド」、企業向けの事業開発支援・受託開発(サービスデザイン)、自社企画のユーザー課金型サービスやパートナー連携による収益分配事業など複数の柱で構成されています。累計ダウンロードは数百万件規模(国内750万ダウンロード、ベトナム版も120万超)で、月間プレイ回数や出店企業数の増加を背景にデジタルとリアルを一体化した事業拡大を進めています。
経営方針
同社は顧客数と顧客単価の最大化を成長戦略の柱としています。具体的には国内の「ごっこランド」パビリオン出店数を拡大するとともに、海外展開で出店国を増やすことで利用者基盤を広げる方針です。利用者の裾野を示す指標として累計ダウンロードは国内約750万件、海外(ベトナム版)で120万件超を有しており、月間プレイ回数は直近の2025年1月で前年同月比23%増となっています。経営の達成指標は営業利益を重視しつつ、パビリオン出店数、累計ダウンロード数、プレイ回数を主要な評価軸としています。
同社は差別化に向けて現場営業力とリアルイベントを重点投資分野に位置づけています。営業体制を強化してパビリオンの出店数を増やすとともに、出店企業との関係維持・拡大を目的にリアルイベント「ごっこランドEXPO」を拡充し、2024年は5会場の開催実績から2025年には約30会場での開催を目指しています。プラットフォームは子どもユーザーを無料に保ち、企業や自治体からの出店料や協賛で収益を得るモデルを維持しつつ、イベントや継続利用の仕組みで顧客単価を高める施策を進めています。
同社は海外市場の本格展開に向けた体制整備にも取り組んでいます。すでにベトナムで2024年12月に初のパビリオン出店企業が生まれており、2025年12月期第2四半期に現地法人を設立する予定で、アジアを中心とした多国展開を加速することを目指しています。併せて「ジモトガイド」や企業向けサービス開発といった複数の事業柱で収益源を多様化し、新サービスや提携モデルの確立により長期的な成長基盤を築こうとしています。
同社は技術革新を成長の重要なドライバーと捉え、最新技術の導入と研究開発に投資しています。拡張現実や仮想空間、人工知能の要素を取り入れて体験の質を高めるほか、利用データを活用してプレイ頻度や課金政策を最適化することを目指しています。加えて、事業拡大に伴う人材採用と組織・内部管理体制の強化を進め、技術・営業・管理の三点でバランスよく投資することで収益性と企業価値の向上を図っています。