出前館JP:2484

時価総額
¥157.3億
PER
-3.9倍
デリバリー専門サイト・アプリの運営の国内最大手。注文アプリと配達代行、広告掲載を展開し、2021年12月に加盟店数が10万店を突破。2024年8月に生鮮即配サービスを開始、2025年8月に終了。日本全国で展開。

事業内容

出前館は国内最大級のデリバリー専門サービスを運営する企業で、主力はサイトとアプリを通じた注文・配達のプラットフォームです。同社はユーザーが端末で店舗やメニューを選んで注文できる仕組みを提供し、配達機能を持たない店舗向けには配達代行サービスも行っています。カスタマーセンターのオペレーターが注文トラブルやクレーム対応を担っています。

主要な顧客は飲食店の加盟店と注文する消費者で、広告主や取引先企業も重要な顧客層です。同社の収益は加盟店からの注文金額に対する手数料や配達代行手数料、ユーザーが支払う送料や諸手数料に加え、サイト掲載の広告収入で成り立っています。会員向けクーポンなどで利用促進とリピート獲得を図っています。

事業は大きく、プラットフォーム運営(注文・決済・顧客サポート)、配達サービス(配達代行を含む)、広告運営やプロモーションの販売、そしてシステム開発やサイト管理といった支援サービスに分かれています。同社は現金だけでなくクレジットカードやPayPayなどの電子決済を用意し、会員登録による利便性向上にも注力しています。

経営方針

同社は「デリバリーの日常化」を掲げ、流通取引総額(GMV)の拡大を最重要の成長指標として事業を進めています。GMVは注文回数やアクティブユーザー数の増減で測られるため、オーダー数の拡大と利用者の定着を重視しており、資金面では2021年9月に公募および第三者割当増資で約830億円を調達して積極投資の体制を整えました。直近のアクティブユーザー数の推移は2021年8月期が約734万人、2022年8月期が約873万人、2023年8月期が約657万人、2024年8月期が約542万人、2025年8月期が約455万人と変動しており、同社はこれらの数値を改善してGMV成長につなげることを目指しています。

同社は重点投資分野として加盟店の拡充、配達網の強化、配達員の獲得・維持、そして新たな収益モデルの開発に注力しています。店舗側には配達代行やプロモーションの提案で売上機会を増やし、ユーザー向けにはクーポンや会員施策でリピートを促進する具体策を実行しています。差別化は地域密着の「シェアリングデリバリー®」を全国展開することや、カスタマーセンターによる注文トラブル対応の充実、配達効率を高める運用設計で図っており、送料の変動価格制導入や配達員の柔軟な稼働設計といった施策で単位当たりの経済性を改善しようとしています。

同社は新市場開拓と事業拡大において、配達代行の対象エリアと店舗数を速やかに拡大することで外食市場に新たな需要を創出しようとしています。広告や企業向けサービスなど店舗以外の収益源も重視しており、取引先企業との協業を通じて法人需要や地域課題を解くソリューション提供へ広げる計画です。さらに、配達領域に限らず地域活性化や物流面での付加価値提供を意図し、既存顧客基盤を活かしたクロスセルや法人向けサービスの拡充を進めています。

同社は「テクノロジーで時間価値を高める」ことをミッションに掲げ、配達予測時間の精度向上や配達ルートの最適化など技術投資を強化しています。具体的には需要予測や配達割り当てのアルゴリズム改善、決済手段の多様化(クレジットカードや電子決済の対応)、システム基盤と個人情報管理の強化を進め、サービス体験と運用コスト双方の改善を図っています。これらの技術的取り組みを通じてユーザー満足度と配達効率を同時に高め、持続的なGMV拡大と収益性の改善を目指しています。