アスアJP:246A

時価総額
¥16.3億
PER
17.5倍
物流向け安全コンサル・CRM・企業向けICTの有力企業。TRYESプログラムと走行データ解析によるOne to Oneメッセージングを展開。2006年5月に学会発表、2014年10月に国連で発表。東海地区を中心に約3,000社と取引。

事業内容

アスアは、物流現場で蓄積したノウハウとデータ分析力を基に、物流業界の安全性と効率化を支援する事業を展開しています。同社は物流事業者向けの安全支援コンサルティング(TRYESプログラム)や、走行データを活用したCRM型メッセージング、企業向けの通信ネットワーク・ICT機器の導入・保守を主力サービスとしています。

主要顧客は運輸・物流事業者と一般企業で、収益はコンサル契約やクラウド型の定額サービス、メッセージング等の継続収入に加えて、機器販売や工事のスポット収入、保守契約による安定収入で成り立っています。同社は定額のTRYESレポートで安定収益を確保すると同時に、対面型のTRYESサポートで顧客接点を維持しています。

事業は大きく三つのセグメントに分かれており、コンサルティング事業ではTRYESサポート(対面)とTRYESレポート(クラウド)で教育コンテンツや管理負担の軽減を支援しています。CRMイノベーション事業では車両データを解析して個別メッセージを生成するメッセージングサービスを提供し、通信ネットワークソリューション事業ではビジネスフォンやサーバー、ネットワーク機器の販売・施工・保守やASUA NETによるプロバイダー業務を通じて約3,000社の取引先に対応しています。

経営方針

同社は物流現場で25年以上にわたり蓄積した「現場の知見」と走行データの分析力を基盤に、売上と営業利益率の継続的な向上を目指しています。具体的には、定額のクラウドサービスであるTRYESレポートの契約社数と登録ユーザー数を増やすことで、解約率を下げストック収入を拡大し、売上高営業利益率の改善を図っています。株主還元については配当性向30%を目標とし、安定配当と段階的な自社株買いの検討を通じて株主価値の向上を目指しています。

重点投資分野は安全支援のアウトソーシング(TRYESサポート)と定額クラウドサービス(TRYESレポート)で、同社は「現場に根ざした教材・ツールの開発」と「対面とクラウドの両輪」で差別化を図っています。現場での対話を続けてきた強みを活かし、他社が真似できない教育コンテンツや運用ノウハウを商品化することで、顧客満足度を高め解約抑止につなげる施策を実行しています。営業面では東海中心の顧客基盤をベースに、関東エリアでの営業体制強化を進める計画です。

新市場開拓と事業拡大は「人・車・荷物」の組み合わせごとに取り組みを進めています。ドライバー確保に向けた採用支援や行動改善プログラム、積載率改善や共同輸送の推進による輸送効率の向上、倉庫内の安全対策や荷待ち削減といった領域でサービスを拡充します。ICT関連企業との連携や合併・買収を慎重に検討しており、約3,000社の取引先基盤を活かして新たな顧客層や地域へ展開することを見据え、営業キャッシュ・フローの拡大と内部留保の強化により成長投資を行います。

技術革新への取り組みとしては、走行データを用いた個別メッセージ配信などデータ駆動型のサービス開発を加速させています。ソフトウエアの定期的な改良に加え、バックアップ体制や品質管理を強化してサービスの安定性を高める施策を実施中です。また、人材育成や社内システム投資、内部管理体制の整備にも資金を振り向け、スケールする事業を支える基盤づくりを進めています。以上の取り組みを通じて、同社は持続的な成長と企業価値向上を目指しています。