INGSJP:245A

時価総額
¥75.3億
PER
22.2倍
ラーメン・レストラン事業の有力企業。『らぁ麺 はやし田』『CONA』『焼売のジョー』等の多ブランド直営店、PB食材販売、プロデュース・ライセンス提供を展開。2024年8月31日現在で直営店31店、プロデュース店69店、ライセンス店31店。一都三県中心に展開。

事業内容

INGSは、ラーメンとレストランを中核に外食事業を展開する企業です。同社は直営のラーメン店やレストランを運営するとともに、直営で磨いたレシピや食材をプロデュース店やライセンス店に販売・供給し、店舗運営のノウハウも提供しています。

主要な顧客は来店する一般消費者と、店舗を開業する個人オーナーやライセンス加盟店です。同社は店舗での飲食売上に加え、自社のプライベートブランド(麺・タレ・スープ)の販売、プロデュース料(例:月額5万円)やライセンス料・ロイヤリティ(CONAの開業支援料や月額フィー、焼売のジョーの売上歩合等)で収益を得ています。

事業は大きくラーメン事業とレストラン事業に分かれます。ラーメン事業では「らぁ麺 はやし田」を中心に複数ブランドを展開し、都市型や郊外型の直営店で高回転を目指す一方、プロデュース部門でPB商品と運営支援を提供しています。レストラン事業ではカジュアルイタリアンの「CONA」や焼売を主軸にした「焼売のジョー」を直営とライセンスで広げ、低価格で幅広い客層を取り込む戦略を取っています。

経営方針

同社は長期的な出店拡大を成長の中心に据えており、直営店とプロデュース・ライセンス店を合わせて合計500店舗の達成を目指しています。具体的には直営のラーメン事業・レストラン事業をそれぞれ100店舗、合計200店舗の出店、プロデュース店・ライセンス店で計300店舗とし、まずは一都三県(東京・神奈川・埼玉・千葉)を中心に都市型を主軸に展開する方針です(直営の都市型は乗降客数10万人以上、プロデュース・ライセンスは3万人以上のエリアを想定)。現状は2024年8月31日時点で162店舗体制で、経営指標として「売上高成長率」「新規出店数」「既存店売上高(前年比)」を重視して運営しています。

同社が重点的に投資する分野は商品開発、人材、及び店舗オペレーションの効率化です。商品面では自社で8ブランドを保有し、定期的な試食会で既存商品の改良や季節限定商品、新ブランドの創出を継続しており、餃子やから揚げなどのサイドメニューやPB化による原価管理も推進しています。人材面では四半期ごとの評価や月次の研修、エリアマネージャーの適正配置、外国人材採用やインターン採用の拡大で離職率低減と採用を強化しており、プロデュース店向けには加盟金・研修費をゼロにするなど開業支援策を講じ、ブランド認知や顧客体験で差別化を図っています。

新市場開拓では、直営はまず首都圏の好立地を押さえつつ、中長期では郊外・ロードサイドや商業施設への出店も拡大していきます。またプロデュース・ライセンス展開により地方や関西圏への拡大を進めており、実際に関西(大阪)での出店実績もあります。出店手法としては同一エリアで複数ブランドを共存させる戦略を多用し、単一事業では出店できない物件でも二事業同時出店で機会を生かすなど物件獲得の機会損失を減らす施策を取っています。さらにテイクアウト、デリバリー(Uber Eats、出前館等)、EC販売やゴーストレストラン活用により販売チャネルの多様化で売上機会を創出しています。

技術面では顧客接点と社内業務の両方にデジタル投資を進めています。顧客向けには各ブランド共通のアプリ導入と来店履歴に基づくプッシュ通知で再来店を促進し、InstagramやTikTok、インフルエンサー連携で新店や新商品情報の露出を高めています。社内ではモバイル学習や社内SNS(THANKS GIFT)で教育と従業員エンゲージメントを強化し、採用候補者や過去従業員を蓄積するタレントプールで採用効率を高めています。衛生・品質面では外部検査や覆面調査の活用とそのデータに基づくフィードバックを徹底し、技術とデータを活かして店舗運営の安定化を図っています。