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グロースエクスパートナーズJP:244A
事業内容
グロースエクスパートナーズは、大手企業の組織とITを一体で変革し、新しい事業価値を創出することを目指す企業です。同社は、経営課題の整理からデジタルサービスの企画・設計、システムの開発・運用まで一貫したDX支援を行い、既存のデータや資産を活用するプラットフォーム構築に強みを持っています。
主要顧客はヘルスケア、小売・流通、モビリティ、通信、建設、製造、金融など業界のリーディングカンパニーが中心です。同社はコンサルティングや受託開発の売上に加え、教育やプロダクトのライセンス収入、共同開発に伴うレベニューシェアなどストック性の高い収益を組み合わせており、顧客維持率の高さで安定した収益基盤を築いています。
事業は大きく三つの柱で構成しています。DX推進支援では「出島型アプローチ」とデータ駆動型プラットフォームを軸に組織変革やアジャイル開発を支援し、プロダクト・サービス事業では人材育成やローコード等のツール提供、自社サービス(例:GxDiste)によるライセンス収入を狙っています。加えて、顧客と共にデジタルサービスを共同開発して成長に応じた収益を得る共創事業にも取り組んでいます。
経営方針
同社は成長戦略として、既存のエンタープライズ向けDX支援を着実に伸ばしつつ、中長期的に顧客と共創するデジタルサービスによるスケーラブルな収益を拡大することを目指しています。直近では2025年8月期の売上高が5,086,725千円、営業利益が774,446千円となっており、顧客維持率は約86.6%と高水準を維持しています。今後は1社あたりの取引金額を押し上げ、年間取引金額2億円以上の「ロイヤルカスタマー」を増やすことや、海外出身人財比率を将来的に40%以上に引き上げるなど、売上・収益性とグローバル対応力の両面で目標達成を図る計画です。
同社は重点投資分野として、組織変革とITを一体で進める「エンタープライズDX」や、顧客データを活用するデータ駆動型プラットフォーム、AI/データ解析領域を挙げています。差別化要因は、顧客先に一体化して伴走する「出島型アプローチ」で、外部発注型ではなく顧客が自走できる体制づくりを支援する点にあります。また人材育成を重視し、IT未経験者を対象に4カ月でプロジェクト配属可能とする独自研修を行うなど、直近でコンサルタント・エンジニア数を213名(2025年8月期)へ増強し、新卒定着率97%という実績で質と量の両面を強化しています。
同社は新市場の開拓と事業拡大に向け、グローバルサウスをはじめとする海外市場での顧客支援体制を強化しています。顧客の海外事業に現地で伴走するため欧米や東南アジアへの進出を進め、海外出身人財の採用を積極化することで現地適応力を高める方針です。加えて、業界内の非競争領域を共通化するデータプラットフォームを顧客と共同で構築し、共同利用やレベニューシェアで収益化する共創モデルを拡大する計画で、ベンチャーキャピタルやスタートアップとの連携(2021年からの資本業務提携など)も活用していきます。
同社は技術革新に対しても投資を続け、顧客のレガシーシステムの近代化やAI・データ解析の導入、生成AIを前提とした開発による生産性向上に取り組んでいます。具体的には、データから新規事業価値を生み出す取り組みやAIを用いた開発効率化の推進、外部スタートアップの技術を取り込む共同開発やM&Aによる技術獲得を進め、顧客の変革を支える技術基盤と人材の両面で競争力を高める方針です。