Shinwa Wise HoldingsJP:2437

時価総額
¥27.1億
PER
49.1倍
アート関連事業の有力企業。近代美術オークション、プライベートセール、資産防衛ダイヤモンド販売を展開。2024年9月3日にマレーシア子会社全株譲渡決議、2025年4月に子会社清算結了。日本中心、マレーシアからの撤退。

事業内容

Shinwa Wise Holdingsは、主に美術品を中心としたアート関連事業を中核に展開しています。オークションの開催を柱に、オークション以外のプライベートセールでは資産防衛を目的としたダイヤモンド販売や絵画・NFTの相対取引などを提供しています。

同社の顧客は美術品の収集家、業者、投資家などが中心で、作品の委託手数料や落札手数料といったオークション関連の手数料収入が主要な収益源です。加えてプライベートセールの販売利益や、保有する太陽光発電施設からの売電収入も収益の一部を占めています。

事業は大きくアート関連とその他事業に分かれ、アート関連はオークション事業とプライベートセール・その他に分割されています。オークションは近代美術、近代陶芸、低価格帯向けのPart IIのほか、コンテンポラリーや西洋美術、ワイン・ブランド品・時計・宝飾など多様な部門を定期・随時で開催し、低価格作品は業者間の交換会で取り扱っています。なお、かつて行っていた海外のバイオマス事業は売却により撤退し、一部の関連会社は清算を終えています。

経営方針

同社は中長期的に連結で自己資本当期純利益率(ROE)15%以上を目標とするなど、効率的な経営による企業価値の最大化を目指しています。成長の中心は増収増益であり、そのためにオークションにおける高額品の取扱い比率を引き上げることや、資産防衛を訴求するダイヤモンド販売やプライベートセールの拡大により安定した売上基盤を確立する方針です。過年度のプライベートセール会計に関する不備を受け、過去の決算訂正や第三者委員会の設置といった信頼回復措置を講じることで、財務報告の適正化と投資家の信頼回復にも注力しています。

重点投資分野は高額アートや宝飾、時計、ワインといった実物資産分野で、同社は専門的な評価力と公開オークションという場を強みとして差別化を図っています。国内の高齢化に伴う相続需要や、インフレ下での実物資産ニーズの高まりを取り込むため、富裕層向けサービスを拡充し、作家発掘やコンテンポラリー分野での価値創造を進めることで他社と差別化しています。また、ノンコア事業の整理で経営資源を集中させ、収益構造の安定化を図る具体策を進めています。

新規市場開拓では、国内に留まらずアジアを中心とした海外需要の取り込みを明確に掲げており、国際マーケティング人材の採用強化や、インターネット経由で国内外から参加可能なライブビッティングの利便性向上を推進しています。これにより従来のオークション形態に拘らない顧客接点を増やし、新たな顧客層の開拓と高額品の集客を狙います。加えて、過年度問題の再発防止としてガバナンス委員会やリスクコンプライアンス委員会を設置し、内部監査部門の再構築や規程見直し、外部通報窓口の整備など具体的な組織・運用面の改善を実行しています。

技術面では、ライブビッティングシステムの機能改善やオンライン参加の利便性向上を中核に据え、デジタルを活用した販売・流通チャネルの多層化を進めています。絵画やNFTなどのデジタル取引への対応も進めつつ、取引の透明性や来歴管理の強化により評価力を高める取り組みを行っています。こうした技術投資とガバナンス強化を並行させることで、変化する市場環境の下でも持続的な収益力の向上を図ろうとしています。