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ウェルネットJP:2428
事業内容
ウェルネットは、事業者と消費者を結ぶ決済サービスを中核に事業を展開しています。同社はコンビニやATM、スマートフォンを通じて代金の請求・回収を行うマルチペイメントや送金、サーバー型の電子マネーなどを主力サービスとしています。
主要顧客は通信販売や公共料金を扱う事業者、航空・鉄道・バスなどの交通事業者をはじめとする法人で、後払い収納やチケット販売の分野で広く利用されています。同社の収益は初期設定料、月額基本料、決済ごとの手数料などで構成され、事業者は個別に収納機関と接続することなく多様な支払手段を一括で導入できます。
事業は単一セグメントですが、マルチペイメントを紙の払込票によるビリングと番号・バーコードを用いるE-ビリングに分け、入金データの自動化やペーパーレス化を支援しています。同社は口座実在確認を組み込んだ送金サービス、スマホアプリ「支払秘書」による電子マネー、バス向け予約購入アプリ「バスもり!」、さらにカスタマイズ運用や電子チケット認証などの周辺ソリューションも展開し、交通・流通分野での導入拡大を目指しています。
経営方針
同社は「Think Wild.」と題する5年間の経営計画(2025年7月〜2030年6月)の下で、既存サービスの収益最大化と電子マネー・認証分野の新規事業育成を両輪で進めています。財務面では2026年6月期に売上高1,150億円(11,500百万円)、営業利益16.8億円(1,680百万円)、経常利益17.0億円(1,700百万円)、当期純利益11.0億円(1,100百万円)を見込み、株主還元は年間配当29.50円を予想するとともに、DOE(株主資本配当率)5%を下限とし配当性向50%以上を継続する方針を掲げています。
重点投資分野は電子マネー・認証、マルチペイメント(多様な支払手段の一元化)および送金サービスです。具体的には日本通信との協働で、汎用的に使える電子マネーと企業が自社アプリに組み込めるOEM供給型の二本柱を展開し、口座実在確認を組み込んだ送金サービスやスマホアプリ「支払秘書」による使い勝手改善を図ります。差別化は、事業者側が個別に決済事業者とつながる必要をなくす「一括導入」の仕組みや、企業向けに組み込み可能なOEM提供にあり、導入・運用の手間を大幅に下げる点で優位性を持たせています。
新市場開拓では地方交通事業者向けのIT化を重点に据え、従来のローカル型認証からサーバ型認証への転換を追い風に、クラウド型のオールインワンサービス「アルタイルトリプルスター」やスマホ電子チケット「バスもり!」の導入提案を強化します。既にファミリーマートで稼働しているスマホ決済「stanp」の他コンビニチェーンへの導入提案も積極展開し、回数券・定期券・企画券など電子化券種を拡大して地域の交通DXを全国へ波及させる計画です。
技術面ではサーバ型認証やクラウド基盤への移行、入金データの自動化によるペーパーレス化、APIを通じたOEM供給環境の整備などに投資を続けます。セキュリティと安全性向上のための外部連携を進めつつ、実用性の高いアプリ設計や運用管理の簡素化に注力し、北海道を拠点とした新サービス創出と人材確保(本社のWELL認証取得による働きやすい環境整備を含む)で技術革新を事業成長につなげる方針です。