総医研ホールディングスJP:2385

時価総額
¥63億
PER
209.6倍
生体評価システム事業、ヘルスケアサポート、化粧品、健康補助食品、機能性素材開発の有力企業。バイオマーカーを用いた生体評価システムとプラセンタ化粧品、主力商品イミダペプチドを展開。2005年12月8日設立の子会社保有、連結子会社5社体制。日本中心の展開。

事業内容

総医研ホールディングスは、生体評価システムの研究開発とそれを応用した臨床評価、健康支援サービス、化粧品・健康補助食品の開発・販売、機能性素材の開発を行うヘルスケア関連の持株会社です。 同社は大学発のバイオマーカー技術を基盤に、食品や医薬品の有効性や安全性を客観的に評価する仕組みと、消費者向け製品の両方を事業の柱にしています。

同社の主要な顧客は食品企業や製薬企業、健康保険組合や医療機関、さらに通信販売や百貨店を通じた一般消費者です。 収益は、評価試験の受託やバイオマーカーの利用許諾(ライセンス)料、化粧品やサプリメントの販売、健康診断や予防サービスの受託料が中心になっています。

事業は大きく生体評価システム、ヘルスケアサポート、化粧品、健康補助食品、機能性素材開発に分かれます。 生体評価システム事業では臨床評価試験とバイオマーカーの開発・供与を行い、ヘルスケアサポート事業では健診や予防サービスの受託を提供しています。 化粧品事業はプラセンタエキスを用いた自社ブランドの直販と卸売、健康補助食品事業は「イミダペプチド」などの独自商品販売、機能性素材開発ではラクトフェリン等の素材開発と技術供与や医薬品シーズの探索を進めています。

経営方針

同社は企業価値の向上と安定的な成長を目指しています。経営理念である「医科学の研究成果を事業化し、人々の健康で安全な生活の実現に寄与する」を出発点に、事業基盤の強化と規模拡大を経営目標としています。直近では2024年6月期に化粧品事業の減収や健康補助食品事業の収益低下で経常損失を計上しましたが、2025年6月期を構造改革の連結会計年度と位置づけ、新経営体制のもと先行投資を行いながら収益性改善に取り組み、複数事業で営業利益の黒字化や連結の営業損失の大幅縮小といった成果を出しています。

同社は研究開発への重点投資を差別化戦略の中核としています。大学発のバイオマーカー技術を基盤に、疲労評価プロジェクトで生まれた「イミダペプチド」(機能性表示が2015年4月に受理)やラクトフェリン等の機能性素材を活用し、臨床データに基づく独自商品の開発と権利化を進めています。大学との共同研究や特許取得、商標・意匠登録による知的財産の確保を進めることで、単なる販路競争ではなく科学的根拠を持つ商品で差別化を図ることを目指しています。

同社は新市場開拓と事業拡大として「総合ヘルスケアプラットフォーム」の構築を掲げています。オンライン健康相談や遠隔診療、疾病管理、郵送検査、個人の健康記録の活用を組み合わせ、健康補助食品やOTC医薬品、化粧品などの販売を統合することで「いつでも、どこでも」受けられるサービスを目指しています。中国の流通企業との資本業務提携(2019年2月)を通じてアジア向けサプリの共同開発やEC販売網の活用を進める一方、化粧品の中国市場からの撤退や事業ポートフォリオの見直し、希望退職制度による人的資源の最適化などで経営資源を医療分野の成長領域へ集中させる方針です。

同社は技術革新として医療のデジタル化(医療DX)とエビデンスに基づくアルゴリズムの開発を推進しています。データセキュリティや法令遵守、倫理面の整備を前提に、臨床試験やバイオマーカーの標準化を通じてサービス精度を高め、アルゴリズムや診断支援の根拠を強化することを目指しています。加えて、総合プラットフォームのコンテンツ充実のために医療DX領域でのM&Aや業務提携を積極的に行い、研究開発成果の事業化とライセンス収入の拡大を図ることで持続的な成長を追求しています。