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サニーサイドアップグループJP:2180
事業内容
サニーサイドアップグループは、PR発想を軸に企業や商品の価値を伝え、関係者との良好な関係を築くためのコミュニケーション支援を行う企業グループです。 同社はブランドコミュニケーション、フードブランディング、ビジネスディベロップメントの三つの事業を中核に、企画立案から実行まで一貫したサービスを提供しています。
同社の主要な顧客は企業や団体、ブランドを運営する事業者で、メディア露出や販売促進、店舗運営支援を求める案件が中心です。 収益構造はブランドコミュニケーション事業が中核で安定した売上を生み、フードブランディング事業が継続的な収益基盤を支え、ビジネスディベロップメント事業で将来の成長機会を探っています。
ブランドコミュニケーション事業ではプレスリリース作成、記者発表会、メディア対応、イベント企画、SNS戦略などで話題喚起と販売促進を支援し、契約アスリートや文化人の肖像を活用した自社コンテンツも展開しています。 フードブランディング事業ではオールデイダイニング「bills」のブランディングやライセンス、国内外の店舗運営を手掛けています。 ビジネスディベロップメント事業は新規事業の創出を通じて事業領域と収益源の拡大を目指しています。
経営方針
同社は中長期経営方針に基づき、2026年6月期に連結営業利益20億円の達成を目指しています。想定外の本社・子会社のオフィス賃借料など固定費増加により最終年度の見通しは目標に届かない可能性があるとしていますが、主力のブランドコミュニケーション事業の改革を中核に収益力を高め、ROICやROEの改善を通じて資本コストを上回る資本収益性を確保することで企業価値の向上を図る方針です。具体的には連結子会社3社の統合(2023年9月完了)を活かしてグループシナジーを創出し、事業ポートフォリオの選別とコスト管理を強化しています。
同社は投資の重点をテクノロジー、人材、業務のデジタル化に置いており、2024年6月期からの3年間で総額15億円を成長への戦略投資枠として設定しています。特に人材投資に重点配分し、採用や教育、職場環境の整備を進めることで生産性を高めることを狙っています。同時にブランドコミュニケーションの提供価値を高付加価値化し、プレス対応やイベント、SNS施策に加えてマーケティング戦略支援・コンサルティングと連携した包括的なソリューションを提供することで差別化を図っています。
同社は事業領域の拡大にも意欲的で、狭義のPR市場に留まらずコンサルティングや広告の上流領域まで対象を広げる計画です。既存事業の強化と戦略的M&Aを組み合わせる次期成長戦略を検討しており、キャピタル・アロケーションの見直しを通じて成長機会を取り込みます。フードブランディングでは「bills」などのブランド運営やライセンス事業を拡大し、IP(知的財産)を活用した商品企画や販路拡大を進める一方で、海外でのグッズ生産に伴う為替リスクや原材料価格高騰への対応として価格改定や調達管理の強化も進めています。
同社は技術革新を成長の原動力と位置づけ、人工知能(AI)や業務のデジタル化(DX)を通じたデータ駆動型のコミュニケーション設計を推進しています。具体的にはデータ分析によるターゲティング精度の向上、制作工程の自動化、顧客接点のデジタル化による効率化を進め、これら投資は上記の15億円枠でも優先的に支援されます。また、Bコープ認証取得やEcoVadisのブロンズ評価獲得など、持続可能性や多様性への取り組みをコミュニケーションの核に据え、社会的責任を果たしつつ企業価値を高める方針です。