ヒガシマルJP:2058

時価総額
PER
水産・食品の有力企業。養魚用配合飼料を中心に魚介類種苗、養魚用栄養強化剤、クルマエビ養殖、乾麺・即席めん等を展開。複数の連結子会社による事業運営(2025年3月時点)。奄美や沖縄を含む養殖拠点を保有。主に国内中心の展開地域。

事業内容

ヒガシマルは養魚用の配合飼料の製造・販売と、乾麺や即席めん、調味食品や冷凍惣菜などの食品製造・販売を中核に事業を展開しています。同社は自社の製造拠点と連結子会社を通じて原料調達から生産、販売まで一貫して手掛けています。

同社の主要顧客は養殖業者や水産加工業者、卸・小売業者、外食・給食事業者および一般消費者です。収益は水産向け飼料のB2B販売と食品の小売・卸売によるB2C/B2B販売が柱となっており、両セグメントが売上を支えています。

事業は大きく水産事業と食品事業の二本柱で構成されています。水産事業では配合飼料に加え種苗や栄養強化剤の供給、養殖生産(エビや魚類)などをグループで手掛け、食品事業では麺類や調味料、ジャム類、穀粉・香辛料、冷凍食品・惣菜など幅広い製品ラインを展開しています。

経営方針

同社は売上高と経常利益の持続的な成長を経営指標に掲げ、長期的には5年先、10年先を見据えた製品と事業ポートフォリオの強化を目指しています。養魚用配合飼料を中核とする水産事業と、乾麺や調味食品、冷凍惣菜などの食品事業という二本柱を通じて、原料調達から生産・販売までの一貫体制で収益の安定化を図っています。収益基盤の強化に向けては、既存製品の付加価値向上と収益性の高い製品の開発を優先し、中長期での企業価値向上を狙っています。

重点投資分野は研究開発と品質・安全の両輪です。同社は「こだわりのニッチ企業」として研究開発を継続し、収益性の高い競争力ある製品の創出を目指しています。品質・安全面では食品事業が2019年5月、水産事業が2020年7月に国際規格であるISO22000を取得しており、製品の信頼性向上や国際基準への適合に投資を続けています。また、環境や資源面の課題に対しては、魚粉に過度に依存しない飼料開発など持続可能性を考慮した技術投資を進め、差別化を図っています。

海外市場の開拓は成長の重要な柱であり、国内市場の将来的な縮小に備えて積極的に取り組んでいます。水産飼料部門ではアジアおよび北中南米向けの売上と利益の拡大を目標に掲げ、食品部門では各営業所での海外向け営業を強化する方針です。グループ内で種苗や栄養強化剤の供給、養殖生産まで担う体制を生かし、地域ごとの需要に応じた製品供給と販売ネットワークの構築で新市場の取り込みを図っています。

技術革新に関しては、産官学連携を含む外部との協働を重視し、5〜10年先を見据えた革新的な研究に注力しています。具体的には、飼料の配合改良や種苗改良、製造プロセスの効率化といった領域に継続的に投資し、顧客ニーズに応える高付加価値製品を創出することで競争力を高めています。加えてコンプライアンス経営を経営の根幹に据え、法令遵守と社会的要請への対応を両立させることで、持続的な事業成長を実現しようとしています。