中外炉工業JP:1964

時価総額
¥347.9億
PER
8.7倍
熱処理事業、プラント事業、開発事業を展開し、自動車や半導体関連の熱処理炉、鉄鋼関連の加熱炉、脱炭素関連設備の設計・製作・販売を行う企業。

事業内容

中外炉工業は、主に3つの事業セグメントを展開しています。まず、熱処理事業では、自動車、機械、半導体、化学部材の熱処理炉や電池、基板、触媒、磁性材の熱処理炉、大気浄化設備の設計、製作、施工、販売を行っています。この分野では、特に高精度な熱処理技術が求められます。

次に、プラント事業では、鉄鋼や非鉄金属の加熱炉、熱処理炉、金属ストリッププロセスライン、塗装ライン、工業用バーナ、省エネ制御機器の設計、製作、施工、販売を手がけています。これにより、エネルギー効率の向上や生産性の向上を支援しています。

開発事業では、脱炭素関連の研究開発や精密塗工・乾燥装置、キルン、環境プロセス設備の設計、製作、施工、販売を行っています。特に、環境負荷を低減する技術の開発に注力しており、持続可能な社会の実現に貢献しています。

その他の事業として、国内外の子会社がそれぞれの地域で工業炉の販売や技術サービスを提供しています。中外プラントは技術サービスや人材派遣を行い、台湾や中国、タイ、インドネシア、メキシコでは現地での販売やメンテナンスを担当しています。これにより、グローバルな市場での競争力を強化しています。

経営方針

中外炉工業は、熱技術を核にした成長戦略を掲げています。同社は、エネルギーの有効活用や地球環境の保全に応えることを基本理念とし、社会の発展に貢献することを目指しています。また、株主や取引先、従業員などのステークホルダーの期待に応えるため、安定した企業体質の確立を重視しています。

中外炉工業は、2022年に発表した中期経営計画「Chugai Ro Break Through(CBT)2022-2026」に基づき、3つの重要戦略を推進しています。これには、カーボンニュートラルを中心に新市場を創出すること、既存商品のニーズに適合したブラッシュアップによる拡販と利益向上、そして働きがいのある職場作りが含まれます。

具体的な施策として、2023年11月に完成した「熱技術創造センター」を活用し、研究開発部門への投資を強化しています。また、業務効率化を図るため、設計支援システムの導入により労働時間の短縮を目指しています。これにより、2050年カーボンニュートラルへの貢献を目指す先進企業としての地位を確立しようとしています。

さらに、コーポレートガバナンスの強化を図り、企業価値の向上や経営基盤の強化に努めています。中期経営計画では、ROE10%以上、総還元性向50%以上を目標に掲げ、事業収益の拡大を目指しています。資本コストを意識した経営判断を行い、適正な配当政策や自己株式の取得・償却を実施しています。