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北海電工JP:1832
事業内容
北海電工は設備工事を主力とする企業で、電気や通信、建築・土木に関わる各種工事を行っています。配電線や変電所、地中線といった電力インフラから施設の設備工事まで幅広く請け負っています。
同社の主要顧客は親会社である北海道電力および同系の送配電会社で、これらからの受注が売上の柱になっています。受注の多くは電気工事に集中しており、工事の一部は連結子会社や関連会社に発注することで対応しています。
同社は事業を単一のセグメントで運営しており、業務は電気工事、電気通信工事、土木工事、建築工事、鋼構造物工事、管工事、塗装工事、消防施設工事などに分かれます。事業系統図で親会社との関係や発注フローを整理しており、電力系インフラ向け工事が中心という構成です。
経営方針
同社は「優れた技術と誠意で、お客さまに選ばれ、信頼される総合設備企業として発展し、地域・社会に貢献する。」を目指しており、ビジョン2025と中期経営計画2021–2025で成長の方向性を明確にしています。中期計画では「施工力確保と収益力強化」「受注拡大」「企業体質の強化」「地域社会への貢献」という4つの重点施策を掲げ、2025年までに受注基盤の強化と事業の多角化を進めて持続的な成長と企業価値の向上を図る方針です。
重点投資分野としては、従来の送配電や変電設備など電力インフラの施工力をさらに確保することに加え、業務の生産性向上に向けた現場運営体制の構築と改善活動を重視しています。具体的には、工事量に応じた人員配置と外注管理の最適化、現場の作業効率化による採算改善、そして「ほくでんグループ」の一員として電力の安定供給へ貢献することを差別化要因としています。
新市場開拓では、再生可能エネルギー関連工事の受注拡大やエネルギーの地産地消といった新規分野への参入を明確に打ち出しています。北海道内で進む次世代半導体工場や大規模データセンターの立地計画を踏まえ、地域の建設需要を取り込みながら顧客層の多様化を図るための人材確保や施工体制強化を進める計画です。加えて、災害復旧支援など地域インフラに直結するサービスも拡充しています。
技術革新への取り組みとしては、デジタル技術やITを活用した業務効率化(いわゆるDX)と継続的な改善活動を積極的に推進しています。具体策として現場管理のデジタル化、業務フローの見直し、若手・中堅技術者の育成プログラムやOJTによる技能継承を実施し、材料高騰や人手不足という課題に対応できる体制づくりを進めています。また、低炭素・循環型社会に向けたESGの取り組みとして再生可能エネルギー工事や省エネ・環境配慮型工事にも投資しています。