レジルJP:176A

時価総額
¥523.8億
PER
20倍
分散型エネルギー、グリーンエネルギー、エネルギーDX事業の有力企業。マンション一括受電サービスと2023年4月開始のマンション防災サービスを展開。サービス利用顧客2,618棟(245,604戸)、2004年11月サービス開始、2023年12月に合弁解消。関西・関東中心に全国(沖縄除く)展開。

事業内容

レジルはマンション一括受電サービスを主力に、再生可能エネルギーを中心とした法人向け電力販売やエネルギー事業者向けの業務効率化サービスを展開しています。同社は受変電設備を自社で設置・保有して電力を供給し、太陽光や蓄電池を組み合わせたマンション向け防災サービスや、業務プロセスをサービス化したDX支援も手掛けています。

主要な顧客はマンションの管理組合と居住者、及び中小企業で、マンション向けは導入時の初期投資を同社が負担し、電気料金として長期契約で回収する仕組みです。同社は10年または15年の契約を基本とし、契約棟数は数千棟・数十万戸規模に達して安定したストック収益を確保しています。法人向け小売やDXサービスは利用者数や提供する席数に応じた課金で収益が拡大します。

事業は分散型エネルギー、グリーンエネルギー、エネルギーDXの三本柱で、分散型ではマンション一括受電や設備改修、マンション防災サービスの導入を進めています。グリーンエネルギーでは中小企業向けに再生可能エネルギー中心の電力を複数の調達先で確保し、固定型と市場連動型の料金プランを用意しています。エネルギーDXでは電気設備の保安管理や料金請求・問い合わせ業務の受託といった後方業務の受託に加え、業務プロセスをサービスとして提供して顧客の業務効率化を支援しています。

経営方針

同社は安定収益を基盤に成長を加速させることを経営戦略の軸としています。主力のマンション一括受電サービスは長期契約(主に10年または15年)により安定したキャッシュ・フローを確保しており、現在の導入戸数は約24.5万戸(約245,000戸)で、国内の高圧一括受電化マンション約80万戸のうちシェアは約30%に達しています。こうしたストック収益を原資に、成長領域であるエネルギーのデジタル化(DX支援)や新サービスへの投資を継続し、収益の拡大と安定化を図る方針です。

同社は重点投資分野として「分散型エネルギー」「グリーンエネルギー」「エネルギーDX」の三本柱にリソースを集中しています。差別化策としては受変電設備を自社で設置・保有して供給のコントロールを行う点、太陽光や蓄電池を組み合わせたマンション向けの防災サービスで高付加価値を提供する点、そして電力調達や料金計算・請求といった後方業務をパッケージ化して他の事業者に提供するDX支援で顧客の業務効率化を支援する点を挙げています。電力小売では2030年までに小売顧客への供給を再生可能エネルギー比率100%にする目標を掲げ、契約数ベースでは既に非化石電源比率100%を達成しています。

新市場開拓と事業拡大では、マンション防災サービスの導入でターゲット市場を拡大する戦略を取っています。現在は同サービスが開始された物件が3棟447戸にとどまりますが、潜在市場は従来の修繕積立金不足世帯ベースの約250万戸から全国のマンション約694万戸まで拡大すると想定しており、新築デベロッパーも営業対象に加えています。加えて業界内で生じる事業譲渡・顧客引継ぎの機会を取り込み、既に約65,000戸を譲受した実績があるように、今後も案件発掘と取得を進めるほか、将来的には設置設備をネットワーク化してVPP(分散エネルギーを統合して需給調整に使う仕組み)を構築することで需要側サービスへの展開も目指しています。資金面では主力事業のキャッシュを活用しつつ、必要に応じて金融機関借入やプロジェクトファイナンス、資産流動化など柔軟な調達手段を検討しています。

技術革新ではソフトウェア開発体制の強化を重視しており、電力料金計算、請求管理、需給管理、蓄電池制御など業務システムの高度化を進めています。開発は外部委託と内製の併用で行い、専門人材の育成や先端技術を持つパートナーとの連携でノウハウを蓄積する方針です。これによりエネルギーDX事業のBPO提供やシステム商材化を加速させ、現在14社との継続取引で約48.5万件(485千件)のエンドユーザーを支える基盤をさらに拡大していく計画です。