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リョーサン菱洋ホールディングスJP:167A
事業内容
リョーサン菱洋ホールディングスは、半導体や電子部品の仕入れ・販売を中心とするデバイス事業と、IT製品の販売や導入・運用までを含むソリューション事業を展開しています。同社は国内外に多数の子会社・関係会社を持ち、調達から流通、付帯サービスまで一貫して手がけています。
主要な顧客は電子機器メーカーや装置メーカー、システムインテグレーターや企業のIT部門などで、仕入れて販売する商流が売上の大半を占めています。同社は製品販売による売上に加え、導入支援や保守といったソリューション提供で付加価値を確保し、収益の多様化を図っています。
事業セグメントは大きく「デバイス事業」と「ソリューション事業」に分かれており、デバイス事業では半導体や各種電子部品の流通・在庫管理・販売を行っています。ソリューション事業ではサーバーやネットワーク機器、ソフトウェアの販売に加え導入支援や運用保守を提供し、海外拠点を含めた販売網で顧客のニーズに応えています。
経営方針
同社はリョーサンと菱洋エレクトロの経営統合により2024年4月に設立され、2025年度以降は統合効果を本格化させることで成長を図っています。具体的には「お客様接点の絶対量の拡大」「生産性の向上」「統合シナジーの創出」「独自性の確立」を経営の柱に据え、短期的には顧客接点の強化と売上基盤の安定化、中期的には両社の強みを活かした収益拡大を目指しています。早ければ2026年4月に両社の事業子会社を統合する計画も示しており、統合によるコスト削減と営業力強化を通じて成果を加速させる方針です。
重点投資分野として同社は半導体・電子部品を扱うデバイス事業と、導入支援や運用保守を含むソリューション事業の両輪を強化しています。差別化戦略としては、単なる製品の売買にとどまらず、導入支援や保守といった付加価値サービスを拡充して顧客の課題解決に直結する提案力を高めることを重視しています。具体的施策として営業人員の増強、顧客管理システムの導入・整備、在庫管理の集中化や物流効率化などを進め、取引先との接点を量・質ともに改善しています。
新市場開拓と事業拡大では、人工知能(AI)やデジタル化(DX)、自動車の電動化や自動運転といった成長分野を重点領域に据えています。同社はこれらの分野で電子部品やシステム導入の需要拡大を取り込み、既存の顧客層に加え、車載関連メーカーや産業機器メーカー、インフラ系企業など垂直市場への営業展開を強める計画です。また、海外拠点や関係会社のネットワークを活用して調達先の多様化や販売チャネルの拡大を図り、地政学リスクや需給変動への耐性を高めようとしています。
技術革新への取り組みでは、顧客ニーズの把握と提案精度を上げるためのデータ活用を進めています。具体的には顧客管理システムとデータ分析による需要予測、在庫最適化のための自動化投資、技術スタッフの育成による組み込みソフトや車載系の設計支援強化などを実施しています。これらにより、単なる商流管理から一歩進んだ「問題解決型」のサービスを自社の独自ノウハウとして確立し、競争優位性を高めることを同社は目指しています。