大庄JP:9979

時価総額
¥245.5億
PER
26.4倍
飲食事業、卸売・ロジスティクス、不動産、FC・VC事業を手掛ける大手。手づくり和食を主力としたチェーンと生鮮食材の卸売・総合物流サービスを展開。連結子会社4社体制とロイヤリティ収入を得る事業構成。関東中心から全国展開。

事業内容

大庄は和食を中心とした外食チェーンを展開しています。同社は手づくりの和食料理を主力業態に「庄や」「大庄水産」などを関東を中心に全国でチェーン展開しており、飲食売上がグループの主要な収益源です。同社グループは親会社と連結子会社4社で構成されています。

主要な顧客は店舗を利用する一般消費者に加え、FC・VCの加盟店や他の飲食店、企業の卸先が含まれます。収益は直営店舗の飲食売上に加えて、生鮮食材等の卸売・倉庫・運送を組み合わせた物流サービスの売上、不動産の賃料、FC・VCからのロイヤリティ、ミヤビパン等の商品販売で構成されています。

事業は飲食事業、卸売・ロジスティクス事業、不動産事業、FC・VC事業、その他事業の区分で運営しています。卸売・ロジスティクスではグループ会社が食材の仕入れから配送まで一体で行い、不動産では店舗向けの賃貸・管理や転貸を行い、その他ではパンの製造販売や食器・調理備品の販売、害虫防除などの付帯サービスも手がけています。

経営方針

同社はキャッシュ・フロー経営を基本に、安定した収益体制と強固な財務基盤の構築を目指しています。収益性の指標として「売上高営業利益率」を中長期で5%達成することを目標に掲げ、主力の飲食事業を軸に卸売・ロジスティクス、不動産、FC・VCなど複数の事業を組み合わせて売上確保と利益率向上を図っています。直近では「庄や 柏西口店」(2025年9月)や「庄や 南浦和店」(2025年11月)のリニューアル等、既存店の収益力改善と新業態での出店を両輪で進めています。

同社は食の安全性と手作りの調理を差別化の核とし、そのための重点投資を行っています。産地とトレーサビリティを明示し、鮮度を保った毎日配送の仕組みを維持するとともに、食品衛生研究所や大庄総合科学新潟研究所による農薬残留や重金属、添加物、放射能検査など厳格な品質管理を続けています。加えて、季節メニューの月次更新や日本酒の期間限定イベント、生ビールの品質認定取得といった飲料強化策、熟練調理人の育成や賃上げ・業績賞与による人材確保も差別化施策の一部です。

同社は新市場開拓と事業拡大を積極的に進めています。既存の「庄や」「大庄水産」を中心に改装と出店を進める一方で、「お魚総本家」「OH!TORO KITCHEN」「定食のまる大」「築地日本海」「蕎麦蔵 結」などの専門業態の投入で顧客層を広げる計画です。卸売・物流分野では地方センター機能の強化や子会社ディ・エス物流、米川水産との連携を深め、外販先の拡充と総合物流サービスの拡大を図ります。不動産では自社物件の開発や新規出店を支援し、FC・VC制度の拡大でフランチャイズ収入の拡充も目指しています。

同社は技術革新を経営課題解決の重要な手段と位置づけ、全社でデジタル化を推進しています。2026年8月期に店舗の発注・勤怠管理を含む基幹システムをリプレイス予定で、モバイル・タブレットによる注文や動画研修の活用、事務処理の自動化(ロボットによる定型業務の自動化)、仕入れの電子データ連携による業務効率化を進めます。また、水道料削減のための節水設備導入や消耗品仕様の見直しなど現場レベルのコスト削減も並行して行い、人手不足と原材料高騰への対応を通じ営業利益率改善につなげる方針です。