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イノテックJP:9880
事業内容
イノテックは、主に3つの事業セグメントを展開しています。まず、「テストソリューション事業」では、半導体テストシステムの開発と販売を行い、特に半導体メモリー市場に高付加価値のソリューションを提供しています。台湾の子会社STAr Technologies, Inc.は、信頼性評価装置やプローブカードの製造・販売を手がけ、グローバルに拠点を持ち、国内外でのサポート体制を整えています。
次に、「半導体設計関連事業」では、米国ケイデンス社製のEDAソフトウェアの販売・保守サービスを提供しています。子会社の三栄ハイテックスは、LSIの受託設計・開発や人材派遣を行い、特にアナログ設計に強みを持っています。ジェイ・エス・シーは、自動車や半導体分野でのソフトウェア開発を行い、モーデックはアナログモデリング技術を活用したシミュレーションモデルの設計支援を行っています。
最後に、「システム・サービス事業」では、組込み用途向けのCPUボードやBOX型コンピューターの開発・販売を行っています。子会社のアイティアクセスは、組込み用途向けのOSやブラウザの販売・保守を行い、レグラスは画像処理技術を活用したシステム開発を手がけています。ガイオ・テクノロジーは、組込みソフト検証ツールの開発・販売を行い、自動車制御ソフトの分野で競争力を持っています。
また、イノテックは全社的な経営戦略の立案や管理業務を行い、米国のFenox Innotech Venture Company VI, L.P.を通じてAIや組込み、WEBサービス関連企業への投資も行っています。これにより、グローバルな視点での事業展開を進めています。
経営方針
イノテックは、エンジニアリングを基盤にしたトータルソリューションプロバイダーとして、顧客の多様なニーズに応えることを目指しています。同社は、エレクトロニクスビジネスを通じて人々の生活を豊かにし、未来社会に貢献することを経営理念としています。また、創造力を駆使して技術の進歩に寄与し、顧客の問題解決に努めることを重視しています。
イノテックの中期経営計画(2024年度から2026年度)では、資本効率性の向上と企業価値の向上を目指し、ROEを安定的に8%以上、最終的には10%を目指すことを掲げています。具体的な戦略として、営業利益率の向上、経営資源の再配分による事業ポートフォリオの最適化、業績の安定性向上を挙げています。
同社の事業戦略は、テストソリューション事業、半導体設計関連事業、システム・サービス事業の3つのセグメントに分かれています。テストソリューション事業では、製品ポートフォリオの拡充と最適化を進め、半導体設計関連事業では、安定収益の拡大を図ります。システム・サービス事業では、マスカスタマイゼーションを推進し、顧客ニーズに応じた付加価値を提供します。
イノテックは、経営環境の変化に対応しつつ、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています。特に、半導体業界の成長を見据えた戦略的な事業展開を行い、地政学的リスクへの対応も重視しています。これにより、同社はグローバルな視点での事業拡大を目指しています。