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伊勢湾海運JP:9359
事業内容
伊勢湾海運は主に港湾での荷役・ターミナル運営や倉庫保管、国際貨物の輸送手配といった物流全般を手掛ける企業です。連結子会社や海外拠点を含むグループで、はしけ運送や倉庫での荷役作業から通関や航空・海上輸送の手配まで一貫したサービスを提供しています。
同社の主要顧客は製造業や商社など輸出入を行う荷主で、荷物の受け取り・保管・引き渡しといった現場業務や通関手続きの依頼が中心です。収益は港湾荷役や倉庫保管、貨物利用運送や通関業務などの物流サービスが主体で、国内外の子会社や関連会社を通じた国際業務も売上に貢献しています。
事業は港湾運送(コンテナターミナル管理、荷役、はしけ運送)、倉庫業、貨物利用運送(船舶・航空・陸上の運送手配)、通関業、航空運送代理店業、梱包、廃棄物運搬・再生処理、一般貨物自動車運送などに分かれています。国内の主要子会社が港湾・通関・トラック輸送を担い、海外現地法人が倉庫や輸送手配、航空貨物の取り扱いを行うことでグローバルな物流ネットワークを構築しています。
経営方針
同社は「Challenge ~つなぐ物流で未来へ」を掲げた中期経営計画のもと、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。直近の経営数値目標は売上高550億円、当期純利益は初年度で約23.5億円、翌年度も売上高550億円、営業利益を28億円から29億円へと高める計画を掲げており、既存事業の改革と新たな挑戦で収益基盤の安定化を図る方針です。加えて、自然災害や地政学リスクを踏まえた経営理念(MISSION/VISION/VALUE)を社内で共有し、組織の一体化による中長期的な成長を狙っています。
同社は差別化のために「ソフト面」と「ハード面」双方への投資を進めています。具体的には、情報セキュリティポリシーの刷新やデジタイゼーション・デジタライゼーションの推進といったシステム投資に加え、一部の荷役機器を自動化して作業効率や省力化を実現しています。人的資本面では基幹人事制度の刷新プロジェクトを進め、海外子会社に対する内部監査を強化してガバナンスを高めることで、ワンストップで港湾から通関、輸送手配まで提供する強みの信頼性を高める施策を講じています。
同社は海外展開を成長の重要施策と位置づけ、新市場の開拓を積極化しています。具体例として中国四川省に成都支店を開設し、沿岸部のみならず内陸部の貨物取り扱いを拡大しています。加えて海外研修制度の拡充やグローバル人材育成を進めることで、海外ネットワークを活かした営業力強化を図り、日本国内の製造業の海外移転による輸出縮小リスクに備え、海外での取り扱い増加や現地顧客の獲得を目指しています。
同社は技術革新を経営の中核に据え、DXとロボティクスの推進を続けています。情報セキュリティ体制の強化に加え、デジタル化による業務の見える化や一部荷役の自動化を進め、労働力不足や働き方の変化に対応して生産性向上を図っています。また、技術導入だけでなく現場の運用定着を重視し、人材育成と組み合わせることで新しい仕組みを実効性ある形で定着させる取り組みを強めています。