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バリュエンスホールディングスJP:9270
事業内容
バリュエンスホールディングスは、ブランド品や貴金属、宝石、骨董・美術品などの買取・販売を主軸とするリユース事業を展開しています。 同社は持株会社としてグループ経営と戦略立案を担い、国内外で店舗買取、宅配・出張・オンライン買取や自社オークションの運営といったサービスを提供しています。
主要な顧客は個人の売却者と国内外のリユース事業者で、買取した商品は自社オークションや小売店、ネット販売を通じて流通させています。 同社の収益はオークション経由が約4割を占め、店頭買取が商品仕入の約8割を占めるなど、個人からの買取が事業の柱になっています。
事業は単一のリユースセグメントが中核で、国内では「なんぼや」「BRAND CONCIER」「古美術八光堂」などの店舗、販売面では「ALLU」ブランドと海外向けの自社ネット販売を展開しています。 また、同社はシステム開発子会社で基幹システムを自社開発し、オークションの販売代行や修理サービス、卸売に加えて不動産や自動車など実物資産の取り扱い拡大を進め、顧客の定着と付加価値向上を図っています。
経営方針
同社は中期経営計画「To the Next Stage: For 2030 Revival Vision」を掲げ、2027年8月期を最終年度としつつ2030年に「Circular Design Company」の実現を目指しています。成長指標としては、オークションの委託比率を2027年までに40%以上、個人向け小売売上比率を25%以上、買取のリピーター比率を50%以上に高めることを目標に掲げており、海外店舗は2027年末で90店舗、2030年末で150店舗の展開を目標としています。これらの数値目標を通じて、買取→販売→再流通を繰り返すリカーリング型の収益構造への転換を図ろうとしています。
重点投資分野はオークションプラットフォーム、直接販売(小売)、海外での仕入拡大、領域拡大(リペア・自動車・不動産)およびサステナビリティです。具体的施策としては、自社のオークションプラットフォーム「SBA」の機能拡充やパートナー向けに企業名義で開催できる機能の提供、パートナーの資金繰りを改善する新たな決済手法導入、落札商品を自動で自社ネット販売に出品するフルフィルメントサービスの拡大を進めています。差別化要因としては社内に整備した高品質な修理チームや真贋・査定のためのナレッジ蓄積、世界各地に広がるパートナーネットワークを活かした供給面の強さがあります。
新市場開拓と事業拡大では、国内は出店基準の見直しを行い効率重視で年間約10店舗の直営出店を計画するとともに、海外は欧米の直営から撤退しアジア・中東でパートナー店舗を中心に年間10店以上の出店を目指す方針です。越境のネット販売も強化しており、2025年11月に越境サイトを立ち上げたほか、SBAを通じて幅広い事業者を取り込むことで流通取引総額の拡大を図ります。リペア事業は2025年に約4.5万件の実績があり、2027年には5万件以上を目標に据えており、自動車や不動産など新たな実物資産の取扱拡大も収益と顧客の囲い込みに寄与させる計画です。
技術革新面では基幹システムを自社開発し、査定の標準化やデータベース整備、店舗のサポート体制強化に取り組んでいます。オークションのプラットフォーム最適化や決済・出品の自動化、ウェブマーケティングのノウハウを海外に展開する施策により、顧客獲得コストの低減とリピーター化を推進しています。加えて、リユースによる環境貢献を可視化する指標の導入や気候関連の情報開示といったサステナビリティ施策も進め、事業成長と環境・ガバナンスの両立により企業価値の向上を目指しています。