ビーウィズJP:9216

時価総額
¥215.7億
PER
30.8倍
コンタクトセンター・BPO事業の有力企業。自社開発のクラウドPBX Omnia LINKとAI・DXソリューションを展開。2016年のアイブリット買収と2022年のドゥアイネット子会社化。日本を中心に2025年5月時点で在宅約2,000名体制で展開。

事業内容

ビーウィズは、自社開発のクラウドPBX「Omnia LINK」を中核に、コンタクトセンターとBPOサービス、AI・DXソリューションの開発・提供を行っています。同社は電話だけでなくメールやチャットなど複数チャネルでの顧客対応を行うコンタクトセンター運営や、業務の企画・設計から教育・運営までワンストップで支援しています。

主要な顧客は業務を外部委託する企業で、収益はスタッフの稼働時間やシステム・拠点の提供料が中心です。コンタクトセンターが売上の約70%を占め、フルアウトソーシングが売上の約3分の2を占めるため、長期契約を通じて安定した収益基盤を確保しています。

事業は大きくコンタクトセンター・BPOと、Omnia LINKを軸としたシステム販売やITアウトソーシングに分かれています。同社はOmnia LINKの自社活用でコスト削減と迅速な拠点展開を実現し、外販による定額収入の拡大や在宅オペレーターの活用などで提供力と収益の安定化を図っています。

経営方針

同社は「中期経営計画2025」のもと、コンタクトセンター・BPO事業(売上の約70%を占め、フルアウトソーシングが売上の約3分の2)と、自社開発のクラウドPBX「Omnia LINK」を軸とするシステム販売の両輪で成長することを目指しています。市場環境としてはテレマーケティング市場が2023年に約1.1兆円、クラウド型を含むCRM市場は2023年に約1,181億円で、クラウド型CRMは2021〜2025年で年平均約14%成長が見込まれているため、同社は売上高成長率と営業利益成長率を主要な経営指標として堅実な拡大を図っています。

同社は重点投資分野としてOmnia LINKの外販拡大とコンタクトセンターの高度化に資源を集中しています。具体的にはOmnia LINKの販売ライセンス数を加速度的に増やすと同時に、音声認識などのオプション販売によるユーザー当たり売上の向上やサービスラインナップの拡充を進めています。差別化戦略は、システム単体の提供にとどまらず、自社での内部活用によるコスト削減や迅速な拠点展開、在宅オペレーター活用によって運営力を高め、金融や情報通信といった重点業界での深耕営業を通じて長期契約を獲得する点にあります。

新市場開拓では、店舗統廃合が進む金融機関向けの受注を見据え、商談・申込・電子契約をワンストップ化する「UnisonConnect」の提供や、コンタクトセンター以外のオフィス業務にも展開する製品投入を進めています。実際に物流向けのコラボツール「Omnia LINK ANYPUT」は2024年6月に、損害保険業界特化型CRM「Omnia LINK PILOTe」は2025年4月にリリースしており、これらによってターゲットユーザーを拡大するとともに、システム販売とBPOのセット販売で市場の裾野を広げる方針です。また、海外展開ではASEAN地域での販売実現に向けた具体的検討を加速させています。

技術革新への取り組みとしては、AIや自動化技術を取り入れた業務の高度化を推進しています。生成型AIによる事務処理の不備検知やRPAとの組み合わせ、音声認識などの付加機能をOmnia LINKに実装し、オペレーションの高度化と付加価値向上を図ることで顧客満足を高め、顧客単価を引き上げる施策を同時に進めています。加えて、人的資本・サステナビリティ・ガバナンス強化など経営基盤の整備にも注力し、事業拡大を支える体制構築を目指しています。