第一交通産業JP:9035

時価総額
PER
タクシー・バス・不動産分譲・賃貸・再生・不動産金融の複合事業の大手。介護車両やハイヤーを含むタクシー網、パレスマンションシリーズ等を展開。当連結会計年度に3件の吸収合併。国内34都道府県中心、193営業所、7,711台で展開。

事業内容

第一交通産業は、タクシーやバスの輸送サービスを中核に、不動産の分譲・賃貸・再生・不動産金融など複数の事業を展開するグループ企業です。同社グループは多数の子会社を通じて全国をカバーしており、タクシーは121社・193営業所・7,711台規模で運行しています。

同社の主要顧客は街中で乗車する一般利用者に加え、法人の団体送迎や契約顧客、不動産の購入者や賃借人、貸金の借り手など多様です。収益はタクシー・バスの運賃収入、不動産の販売・賃料収入、不動産金融の利息が中心で、駐車場や整備、LPガス販売などの付帯事業でも安定した収入を確保しています。

事業セグメントは大きくタクシー、バス、不動産分譲、不動産賃貸、不動産再生、不動産金融の6つに分かれています。タクシー事業は各種車両を揃えて広域で輸送し、バス事業は路線と貸切の両方を運行しています。不動産分譲は都市型マンションを中心に戸建販売も行い、賃貸は飲食ビル等約96棟を保有、さらに再生事業や不動産担保ローンなどで収益を多角化しています。

経営方針

同社は連結収益と連結利益の増大を目指しており、自己資本当期純利益率(ROE)10%以上の安定確保を経営目標としています。基礎となるタクシー事業はグループで121社・193営業所・7,711台規模を有し、これを土台に投資効率の向上を図るため事業所の統廃合や車両移動、必要に応じたM&Aを実行していきます。さらにグループ資金の一元管理を行うキャッシュ・マネジメント・システムを活用し、余剰資金の効率化と有利子負債の圧縮を進めることで収益体質の強化を図っています。

同社は事業の重点投資分野として地域密着の輸送サービスと不動産関連事業を掲げ、両者を連携させた収益の多角化を進めています。タクシー・バスの輸送収入に加え、不動産の分譲・賃貸・再生・不動産金融による賃料や利息収入、駐車場や整備、LPガスなどの付帯事業で安定した現金収入を確保する方針です。不動産では好立地の供給に加え、低所得者向けの手ごろな戸建て供給や高収益物件の取得を重視し、不動産金融は担保付融資に特化して与信基準を厳格化することでリスク低減を図っています。

同社は新市場開拓として都市部と地方の両面で展開を進めています。需要が高い大都市圏や地方主要都市圏でのM&Aを通じたエリア拡大を図る一方、沖縄や九州でのMaaS(移動サービスの統合)参画や、子育て支援タクシー、おでかけ乗合タクシーといった新サービスの拡充で地域の交通課題に対応します。国際面ではミャンマーやインドで駐在員向けハイヤーや観光送迎、整備・不動産投資などを強化し、グループの事業領域を国内外で広げています。

同社は技術革新を経営の重要な柱と考え、電気自動車の導入やデジタル化を積極的に進めています。「全国タクシー電気自動車化プロジェクト」を通じてEVタクシーのノウハウを蓄積し、実証運行を継続するとともに、沖縄ではEV路線バス3台の運行や自動運転バスの実証にも参画しています。配車や決済面では自社配車アプリ「モタク」や他社アプリとの連携、QRコード決済・電子マネーや多言語対応を進め、遠隔点呼などで業務の効率化と安全性向上を目指しています。